人間界に紛れ込んだ異星人X。危険はないと言われても疑心暗鬼の人類。恐怖を煽るメディア。主人公である記者は、Xである可能性が高いターゲットに接近し、親しくなっていく。そんな中での記者の葛藤が中心に描かれるので、SFとしては極めて地味だが結構面白い。
ミステリアスなヒロイン涼子演じる上野樹里がとても魅力的で惹きこまれた。彼女には言葉で表せない良さがある。葛藤が似合う林遣都も良かったし、留学生の子も良かったし、絶対妻を幸せにできなさそうな野村周平も良かった。
捻りも効いていて、分かりやすい社会性とエンタメ感のバランスはほどよく、終わり方もオシャレ。多様性や差別をテーマとした邦画としては、充分に良作と言える。
