Paula

コンクリート・ユートピアのPaulaのネタバレレビュー・内容・結末

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

人の命は、地震の様で上で下で右、左ってか?

Mr. Delegate 曰く、韓国語ではありませんけど... 何か?

Thanks to all who contributed
their efforts to the renovation
campaign. Now, I have something
unfortunate to tell you. Those who
are not residents of Hwang Gung
Apartments are kindly asked to
leave this complex.

本作『コンクリート・ユートピア』の悪質とは言えないまでも軽い冗談のような題名からして、アンサンブル・コメディ的ひねりを加えたことで、ついあの作家と言うか、サブカルの代表者で、今は吉祥寺に居を構え和風でこじゃれた家に住んでいる小松左京ならぬ彼と同じように映画化されたにもかかわらず、ブラックジョークの範疇を超えた悪ふざけとしか言えない『日本以外全部沈没』の作者で、その映画にはカメオ出演をしていた雄で関西ローカルの伝説的 "教養とバラエティの融合" をテーマとしたお笑い番組であり、物事の成り立ちや因縁、それに関わった人たちの苦労話や意外な出来事などを再現映像を交えながらお送りしていた『ビーバップ!ハイヒール』でかしこブレーンとして活躍し、彼の知識力と記憶力には圧倒させられた、もうすぐ御年90才を迎える、その人、筒井康隆の事を思い出す。

YOU APARTMENT BASTARDS ARE
HEADING FOR AN EARLY GRAVE

多くの人は、この天災を地震と位置付けているけども脳ミソ・ウニのあたしは、冒頭で地面が隆起する場面から火山活動かなと思えたけど、これだけ広範囲だとやはり地震かなって、自信を無くしました。(´∀`*)エヘ💋

Mr. Delegateはこう演説する。
If a cockroach crawls to the kitchen
table, is it family? What kind of
family would burn, stab or kill
people? Show some sense,
everyone!
ディザスター映画の負の部分って、シナリオのつながり重視のところが物理的なことは完無視ってか?
サバイバルなのに何気なく、火事だからって水を粗末にする。それは悪質なと言うか、そんなの無頓着な温泉宿やお風呂屋さんは残り湯を防火水槽にためる水にケチって使ったりするけど本当は上水道水(消火設備の機器、配管、バルブ等に影響を与えないもの)を使わなければならないとされてるし、あれだけの規模の地震で周りのビルがすべて倒壊しているのにアパートの各ヘアのドアがすんなりと開くって動画してるぜ!
それを無視させてくれるのが、Mr. Delegate ことイ・ビョンホンさんの演技かな? だって、最初はボサボサ頭のダダのおっちゃんだったのが、話が進むにつれ変貌していく様子の過程で彼の俳優として持つ威圧感が最高潮に達する姿は、ファンなら一見と言える。

特異なシチュエーションを醍醐味のあるセットアップやマットペイントの卓越さがそれを支えている映像は見ごたえがあり、エピソードの面白さはあるとしても内容やストリーとしては住民のとる行動や貧欲さは、1944年のヒッチコック作品『Lifeboat』における疑心暗鬼的心理劇を代表する過去の作品とあまり変わらない、いわゆる "普遍的" と呼んでもいいかもしれない。それを痛感させるのが、ラストのシーンで教会から救い出されたミョンファに対して「アパートの住民はカニバルをしていたのか?」と聞かれ、彼女は人の普遍性を否定するところで幕が閉じられる。

Myung-hwa: No.
      They were just...
      ordinary people.

なんてね? 失礼しました。
Paula

Paula