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ハロウィン・キラー!のRのネタバレレビュー・内容・結末

ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2023年のアメリカの作品。

監督は「アリ・ウォンの魔性の女になりたくて」のナナッチカ・カーン。

あらすじ

1987年のハロウィンシーズン、少女3人が16歳の誕生日に相次いで16回刺され、殺されたことから「スイート16キラー」と呼ばれた殺人鬼が出没した事件から35年後のハロウィン夜、3人の友人だったパム・ミラー(ジュリー・ボーヴェン「フォールアウト」)が再び現れた殺人鬼によって殺されてしまう。悲しみに暮れる一人娘のジェイミー(キーナン・シプカ「クリスマスに降る雪は」)は犯人を捕まえる決意をする中、その夜、殺人鬼に襲われ、友人のアメリア(ケルシー・マウェマ)が化学展で展示するために作ったタイムマシンに隠れたところ、1987年にタイムスリップしてしまう。過去に戻ったジェイミーは高校生の母親パム(オリヴィア・ホルト「ターキードロップ!最悪なジンクス」)と協力し、これから起こる連続殺人を止めようとするのだが…。

世はハロウィンシーズン!ということで、陰キャの俺もハロウィンに人知れず浸りたいなと思い、アマプラ独占配信で話題の今作をチョイス!

お話はあらすじの通り、注目すべきは本作の製作が近年、愛すべきジャンル映画をメキメキと輩出し、最注目される「ブラムハウス」が製作しているという点。ということで、1番彷彿とさせるのが、ブラムハウスの中でもトップクラスに面白かった「ハッピー・デス・デイ」シリーズ。

全体的なちょいメタ風味のコメディ寄りの作りもそうだし、主人公キャラのワルな感じだけど、とってもキュートな感じなんかも作り手はかなり意識していると思われる。

ただ、相違点はあちらは「タイムリープ×スクリーム」要素だったのに対して、こちらは「タイムスリップ×スクリーム」にハロウィン感を散りばめた感じで、土台は1996年の映画「スクリーム」なんだけど、こちらはよりSF要素は多め。

もっと言っちゃえば「スクリーム」×「バック・トゥー・ザ ・フューチャー」かな。特徴としては、母親が殺されてしまったことで、お手製のタイムマシンに乗って、過去に飛んで一連の連続殺人とその犯人である「スイート16キラー」と呼ばれた16歳ばかり狙う殺人鬼を止めようとするんだけど、時代背景が1987年なので、時代描写をコメディ風味で描いているのが特徴。

例えば、全体的なキャラクターの服装なんかはまさに80'sノリのファッションだし、あとは全体的な緩さ。主人公ジェイミーが調査目的で当時の高校に身分を偽って入学しちゃうんだけど、いとも簡単に入学できちゃうし、その高校での部活のマスコットがインディアン感丸出しで思いっきり人種差別的だったり、体育教師もめちゃ口悪くて、教科でやってる名称不明の謎スポーツもやたら暴力的だったりと、昨今やたら叫ばれているコンプラを違反しまくってて、それを一つ一つジェイミー視点でメタ的にツッコんでるのが面白かった。

また、町の保安官たちも今だったら、アメリカでもありえないタバコスパスパ勤務中に吸いまくりで、全然やる気なくて役に立たなくて、後々殺人鬼の血液を偶然採取して、ジェイミーが提供してもDNA、なんだそりゃ?状態だったりとここら辺の時代が追いついていないからこその「不便さ」も何気にお話に生かされてたりする。

で、今作とにかく主人公ジェイミーを演じたキーナン・シプカが他の方々も書かれているようにめちゃくちゃ可愛い。この子またどっかで観たことあるなぁと思ってたら、Netflixの名バイプレーヤー、スタンリー・トゥッチ主演の「ザ ・サイレンス 闇のハンター」で主人公の子どもを演じてた子だ!あの時は黒髪だったけど、今作では年頃の女の子らしく、綺麗な金髪がとっても似合っていて、あの時の可愛かったけど、更に魅力マシマシ!!個人的に作品としては面白かったけど、「ハッピー・デス・デイ」の主人公の子はあんまり可愛く感じなかったので、主人公キャラで言えばこちらのジェイミーの方が好きかな。フリンジがついたプレスリーみたいなファッションもよく似合ってた。

お話し的にも、ジェイミーの出現によって、第一犠牲者の子が殺される場所が微妙に変わったり、第二と第三の犠牲者が殺される順番が変わって、それがこの前観たNetflixの「アダム&アダム」よろしく「フィックス・タイム」で過去の改変が現在に影響され、修正されるところなんかも流石ブラムハウス、よく描かれていたし、それを踏まえて殺人鬼も倒して一件落着して現代に戻ると…それまでいなかった人物が普通に歴史改変で現れちゃうオチとか予想外すぎて面白かった。

ただ、作品的には同じブラムハウスの「ハッピー・デス・デイ」にも、ベースとして「スクリーム」ほどとは個人的には言えなくて、例えば、主要なキャラクター以外に犯人候補で何人か出てくるんだけど、そいつらも現代と過去それぞれいるわけで、そうなると必然的に脇のキャラクター含めて、登場人物が多くなっちゃって、え?てことはあいつが現代のあいつでって、始まりの頃は人物関係がそこまで入っていない分、紐づけるのが大変で覚えきれない。また、今作ネタバレすると「スクリーム」よろしく殺人鬼が現在と過去2人登場するんだけど、それぞれそこまで繋がり自体がないので、終盤現代の16キラーが過去にやってきたことで過去の16キラーの正体が蔑ろになっちゃってたのが残念だったかなー。

まぁ、ブラムハウス的に「ハッピー・デス・デイ」の悪く言えば「2匹目のどじょう」を狙った作品にしてはかなり面白かったし、キーナン・シプカも可愛かったし、今のハロウィンシーズンに観るにはピッタリの作品だと思います。
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