ハナカズキ

ノーウェア:漂流のハナカズキのレビュー・感想・評価

ノーウェア:漂流(2023年製作の映画)
3.9
国を脱出しようとコンテナに隠れていたところ、海に流され一人漂流してしまう“取り残され系”映画。

どうも、この「コンテナに一人で取り残されて漂流するが、誰も助けに来れない」というアイディアが先にあり、その状況を作るために冒頭の設定(なぜ脱出するのか、なぜ“隠れていた”のかの理由)を無理やり作り出した感があります。その設定がちょっと非現実的で稚拙にも感じられましたが、漂流中のストーリーは面白かったのでまあ良しとしましょう!

映画の大半はこのコンテナでのお話。見渡す限り海。誰も助けにこない。コンテナ内には少しずつ水も入ってきてしまう。

コンテナ内には積み荷がありましたが、それはタッパーだったりテレビだったり、はたまたイヤホンや服だったりとサバイバルには全く役に立たなそうなものばかり。

取り残され系映画は最近「フォール」や「127時間」などを見てどれも面白かったんですが、この映画が他と違う最大の特徴は主人公が臨月の妊婦さんだということ!

それはかなり厳しいでしょ。ろくに食料もない、海水も入ってくるコンテナで自分一人でも生きていくのは難しそうなのに、お腹の中のもう一人の命を守るなんてできるのか?もし生まれてしまったら?

なんとか生き抜こうとする主人公。自分だったら諦めてしまいそうな気もします。いや、でもお腹の中の新しい命のことを考えると自分一人だけの命ではないし、やっぱり頑張るのかな。

多少ツッコミどころはあったものの、全体的には惹き込まれる面白いワンシチュエーション映画でした。
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