アクションカットでばなお

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のアクションカットでばなおのレビュー・感想・評価

4.8
日向と影山ってガチで同い年なんですよね……
今までいろんなスポーツ漫画にハマって来たけど、やっぱりハイキューはちょっと別格。

高校1年生の時に連載が始まって、友達から「面白い漫画があるよ!」ってまだ4巻(音駒が出てきた辺り)くらいしか出てない頃の漫画を読んで、おもしれ~!ってなって……そこから本当に長い時間が経った。

人が何かに夢中になる瞬間とか、人生が変わる瞬間を目の当たりにするのが大好きで、今回は研磨の視点がメインだったけど、かなり初期からずっと登場していた彼がようやっと「バレーボールに夢中になる瞬間」を見せてくれて、涙が止まらなかった。
どうせ卒業したらやめるし、頑張ったって頑張らなかったって世界は何も変わらない。
ただボールを地面に落とさないことを頑張るだけのくだらない玉遊びだけど、それに全力になって泣いたり笑ったりする側にとうとう入り込んだ研磨の世界はどんなに鮮やかに変化したんだろう。

ハイキューは、大半のキャラが「高校のたった3年間」でやめるであろうバレーボールへの多種多様な向き合い方を描いていて、現実にもツッキーや研磨みたいな距離感で部活や習い事をやっていた人も大勢いると思う。
「別に卒業してからプロ目指すわけじゃないし」というのはそうなんだけど、高校生じゃなくなってだいぶ時間が経ってしまった大人から言わせていただくと、本当に大事なのは「何かに夢中になったという経験」なんじゃないかなって思う。間違いなく人生の大きな財産になる。

終盤の研磨視点になった瞬間、今まで見たことがない「バレーボールを自分がプレイする視点」をかなりリアルに感じることができて、アニメ視聴者という第三者視点だと視野を広く持てるけど、実際は一瞬の間にいろんな判断をしてあらゆる選択肢の中から瞬時に最適解を選ばないといけない。しかも、体力的にめちゃくちゃキツいという状況が分かって新鮮だった。
こうやって頑張ってるんだってことが改めて分かって「頑張れ……頑張れ……」って声出そうになった。

初めてハイキューに出会ってから10年くらい。映画館でゴミ捨て場の決戦を見て、あの時と変わらない元気いっぱいな姿でバレーボールをやっているみんなの姿が羨ましくて仕方がなかった。
私も高校生に戻りたい。多感な時期だし嫌なこともたくさんあったけど、何年経ってもあの時期を一生愛していると思う。

改めて、鳥野の音駒のみんな、お疲れ様でした!