思えば前半戦は突撃部隊のようだった。が、この後半戦は完全なる籠城戦。守るべき場所を死守するための決死の攻防。長い旅路で出会った仲間たちが結集し、力を合わせ、小さな村が帝国の巨大な戦力と対峙する。それはあまりにも無謀な闘い。それでも彼らは、彼女らは、その死闘を選択するしかなかった。牧歌的な村が、ついに壮絶な戦場へと成り果てる。
ザック・スナイダー監督が長き構想の果てにNetflixの助力を得て完成させたSF超大作『REBEL MOON』、その後半となるのが本作である。前半では主に仲間集めが主軸となり、この後半ではその仲間たちとの絆と村の存亡を掛けた闘いが描かれる。エンドロールの長さから察せられる通り、巨額の製作費が投入されており、ザック版スターウォーズを作ってやろうという野心を感じる作りはPart 1から引き継がれている。果たしてこの二作でその試みは成功しているのか?間違いなくザック・スナイダーらしさは発揮された作品ではあった。
〜あらすじ〜
穀物に恵まれた村、ヴェルト。村を守るために旅立ったコラとガンナーは、銀河を巡る旅の中で、タイタス将軍、タラク、ネメシス、ミリウスという屈強な仲間たちを手にした。その旅の最後にノーブル提督を打ち破ったコラだが、ノーブルは帝国の恐るべき治癒の力により、脅威的な復活を遂げていた。提督の復活を知らないコラたちはヴェルト村に戻り、もう帝国の軍艦が村を訪れないことを予感する。
が、事態はそうはならなかった。帝国は村の穀物を搾取するため、5日後には軍艦が村へと到着することを予告。コラたちは戦闘経験のない農民たちと共に帝国の戦力と闘わなくてはならなくなった。そこでタイタス将軍の指揮を筆頭とし、農民たちは武器の鍛錬と籠城戦の仕掛けの準備へと入った。いよいよ、帝国との戦闘が迫る前日の夜、コラたちはお互いの過去を共有し、仲間としての絆を深めた。それでも、コラは自身が姫の暗殺者であることをガンナー以外の人間に語ることができずにいて・・。
〜見どころと感想〜
非常に簡潔な後半戦である。内容は村vs帝国の母艦のバトル、その一点のみ。そのため、準備段階の物語前半の進みが遅く、バトルシーンも少ないため退屈さは否めない。が、後半はずっとバトル。この後半戦のスピード感と迫力は見どころ満点で、前半を我慢してでも観る価値はあると思う。誰が生き残れるのか分からない修羅場が展開され、仲間たちが倒れていく中、襲い来るのは復活した提督。絶対絶命とは正にこのこと。勝ち筋が見えるとは思えない決死の攻防戦に終止符を打つのは誰なのか?
キャストはPart1から引き継がれているため、新鮮味は薄いが、村が舞台となることもあり、村人たちが活躍するウェイトが増えている。声としてキャスティングされているアンソニー・ホプキンスがいよいよ存在感を発揮するかと思いきや、かなり温存されている感あり。主演のソフィア・ブテラは今作でのアクションシーンも抜群にキレキレで、主人公としてのオーラが板についてきた印象であった。
元々、コラとガンナーは村を守るために旅をしてきたので、このPart 2ではそれがダイレクトな形で表現されることとなった。やや世界観の拡張度合いが甘く、ツッコミどころも数多い。が、圧倒的な映像のパワーとアクションシーンで押し切ってくる強引さが魅力的でもある。しかもあの終わり方はまさか、、?二部作ではない雰囲気を漂わせ、ザック・スナイダーの野心は不透明な未来へと続いていくことになりそうであった。
〜あとがき〜
Netflix、ザック・スナイダーと心中する気か!?という規模で製作されたと思われる今シリーズ、ついに完結!と思いきや、完結していない??ザックの奴はまだまだやるつもりだ。続編はNetflixの資金力次第、かな?
ただ、近年のスターウォーズにガッカリさせられた身としては、このくらいシンプルで分かりやすい方が好感度は高いですね。SF大作はエンタメに全振りしてほしいと個人的には思っています。この作品、前半は超退屈なので鑑賞をやめたくなるのですが、後半はなかなか面白い。前半、頑張って耐えてください。後半は体感時間がメチャ短い作品でした。