カツマさんの映画レビュー・感想・評価

カツマ

カツマ

点数は全体的に甘めです。
平均値は3.8点くらいで、大体の作品が3.6〜4.4点くらいの間におさまります。
ヨーロッパ映画のドラマもの、ラブストーリー、戦争もの、などが好みです。
元某レンタルショップバイヤーやってました。
よろしくお願いします。

映画(833)
ドラマ(0)

シャザム!(2019年製作の映画)

4.0

みんながみんなヒーローにもヴィランにもなれる。それは愛に生きるか憎しみに生きるかの二択のようなもの。例え不幸な生い立ちだったとしても、ヒーローになれた者と進んで悪役を選んだものとでは雲泥の差があった。>>続きを読む

マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

3.6

遠くで点滅していたサイレンが真紅になって押し寄せてくる。鮮血のライトを浴びた瞬間、男は復讐の鬼と化し、殺戮の修羅場が血飛沫をマグマのように暴発させた。オープニングはキング・クリムゾンの名曲『Starl>>続きを読む

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

4.0

オルゴールのような子守唄を聞かせてほしい。それで少しでも安らげるなら、恐怖を忘れて眠ってほしい。ビーチボーイズの『Wouldn't It Be Nice』がいつまでも鳴り響いていてほしかった。しかし、>>続きを読む

ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.9

戦争なんてメイクの足しにもなりはしない。ただ、退屈なだけの日常が死んだように眠るだけだ。混沌としたガザの街で生きる女性たちの等身大を、美容室という庶民的な空間をステージにして解き放つ、戦争を真裏から凝>>続きを読む

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)

4.2

その影の向こうに海がある。手招きするようにざわめく潮騒、そこはもう戻れない夢だった。揺れる天秤、乗せているのは夢と現実。十字路に立たされた時、彼女の身に究極の選択が待っていた。不穏なノイズ、翳る歌声、>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

3.8

運命は優雅にダンスを踊れない。小さな四角形におさまるFoxtrot、ステップは秒単位、そのダンスは一瞬だった。上方から物体を角形に捉えるカットはピエト・モンドリアンの絵画のように抽象化され、画面の象徴>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

4.0

悲しみは瓦礫のように積み上がり、廃墟のごとく打ち捨てられた。待つことのないユートピア、もう戻れない荒野の旅路。逃げているのか、進んでいるのかすらも分からない、今にも消えてしまいそうな灯火が、広大な大地>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

4.5

全てが消え、残ったものは愛だった。その宇宙の片隅を覆い尽くすは無限の暗闇、果てしない孤独。人類の想像を超え、あらゆる物が研磨され、もう何もかもが時間の渦に飲み込まれそうになったその時、見えてきたのは愛>>続きを読む

ポセイドン・アドベンチャー(1972年製作の映画)

4.2

享楽のパラダイスが一瞬、修羅の渦巻く地獄と化す!神の光すら届かない死の滝壺の奥底で、選択が生死を分ける決死の脱出劇の幕が開く・・!皆が死神を背負っているような状況で、何を信じ誰に付いていけばいい?正解>>続きを読む

プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.6

これは例えばの話。昨年大ヒットした海外ミステリ『カササギ殺人事件』は上下巻で大きく異なるストーリーでありながら、それらを一本の線にしてみせた稀有な傑作だった。この作品が何よりも素晴らしかったのは、別の>>続きを読む

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

4.4

もし自分という人間が心底嫌だという人がいたならば、是非ともこの映画をお勧めしたい。何しろ人間、下には下がいる。もう底が見えないどころの話ではなく、人間の醜さだけで一つのコスモが作れそうだ。胸糞に胸糞を>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

4.3

そのリールは凄まじい勢いで巻き上がる。歴史の転換点、食いついた獲物を何度でも釣り上げた者こそが、政治の世界では生き残ることが出来るのだ。それは負の遺産か、それとも栄光か。史上最強にして最凶の副大統領と>>続きを読む

セレニティー:平穏の海(2019年製作の映画)

3.4

豪華キャストとカルトムービーという乖離した要素を無理やりドッキングし、考えられない角度へと物語がドリフトしていく迷路型ラブサスペンスがNetflixオリジナル映画として登場!エヴァンゲリオンの最終話ば>>続きを読む

ザ・テキサス・レンジャーズ​(2019年製作の映画)

3.8

子供の頃に見た『俺たちに明日はない』のラストシーンは未だに脳裏に焼き付いて離れない。そんな美的に脚色され続けるボニーとクライドというオモテ面を裏返せば、ロートルレンジャーズたちの朴訥とした追跡劇がもう>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

4.4

ラスト30分はもう完全に目が離せなくなっていた。気付けばその有り触れた風景にどうしようもなく視線を打ち付けられ、ヒッチコックが唱えたサスペンスの魔法から抜け出すことなど不可能だった。肯定と否定が振り子>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.3

それは生死を占うネットサーフィン、答えはインターネットの海の底へと沈んでいる。無機質な顔の写真をクリックしては、愛する者の未知の部分は暴露され、次々と新たな謎が噴出する。パソコンの画面、SNSを媒体に>>続きを読む

嵐の中で(2018年製作の映画)

4.2

稲妻に導かれ、運命は流転する。繋がるはずのない回線が繋がった時、期せずして人生の地図は書き換えられた。Netflixが新たに送り出すのは、『ロストボディ』『インビジブルゲスト』を撮ったオリオル・パウロ>>続きを読む

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.3

平穏な日常はふとした拍子に修羅場となる。そこはもう花も咲けない焼け野原の跡。憎悪の衝突は善悪の価値観すらも霧散させ、ただ、怒りに身を任せる野蛮な動物たちの遊戯となった。冷静な思考をも失わせるほど、負の>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.2

どちらが醜いとか、どちらが上か下かとか、そういった議論はし尽くされた。今、人種問題に必要なことは、自らの行動を顧みて、その姿を直視すること。ブラックパワー、ホワイトパワーと宣言することよりも、そこから>>続きを読む

ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

3.8

狂気は伝染し、また新たなる狂気を産み落とす。それは数珠繋ぎのように綿密に連なりながら、シンプルに、だが確実に堕ちていくのみ。一人の人間の殺意がやがて大きなうねりへと成長し、死ななくてもいい人間が次々と>>続きを読む

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

3.9

きっと最悪ではない選択肢もあったはずだった。だが、すでに歴史の闇は確定し、時計の針は戻らない。変えられないシナリオ、変えられたかもしれないシナリオ、この映画はその両方を描こうとした。迷える若者たちの心>>続きを読む

東ベルリンから来た女(2012年製作の映画)

4.0

運命は車輪のように回りゆく。それは強風に煽られカラカラと音を立てては、カチカチと右に左にメトロノームの振り子のごとく揺れ動く。彼女は境界線の上に立ち、移ろいゆく愛の所在は掴めないまま。射抜くような瞳の>>続きを読む

結婚演出家(2006年製作の映画)

3.6

一見ロマンチックで情熱的、煙に巻くのは謎めき立つ幻惑の終着点だった。夢と幻の間を行き来するかのような、カラーとモノクロ、二刀流的カメラワークが映画の中で映画を撮っているかのような錯覚を起こさせる。シチ>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.9

もし映画館に他に誰もいなかったなら、きっと立ち上がって感嘆の叫び声をあげるに違いない!そして最高のサウンドトラックに乗せて、ステップを踏みながら観たこともない映像体験を体感したいと思うはずだ。スクリー>>続きを読む

CUBE(1997年製作の映画)

4.3

絶望は膨張し、終わりなき迷路の出口は閉ざされる。一寸先は闇の中、人間たちは泥の中、這いずり廻るかのような命の人生ゲームの幕が開く。公開から20年が経ってもこの映画の怖さは変わってはいなかった。立方体に>>続きを読む

トリプル・フロンティア(2019年製作の映画)

3.5

思えば一つのボタンのかけ違いが致命的だった。だが、欲に目の眩んだ人間はそのボタンの掛け方すら忘れてしまい、近い将来、手痛いしっぺ返しを食らうことになる。これはそんな当たり前のことを、退役軍人たちの現金>>続きを読む

まともな男(2015年製作の映画)

3.9

守りたかったのは愚かな人間が建てた砂上の楼閣。風が吹けばすぐに倒れる、発泡スチロールのような廃棄物だ。嘘に嘘を重ねては辿り着くのは奈落の底、山を下るようにゆっくりとこの物語は最悪なる人生のスタートを告>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

来てほしいのに来てほしくない運命のエンドゲーム公開直前に投下された、最初にして最強のヒーロー、キャプテン・マーベル!記憶の彼方に沈められた自己を探して、彼女に秘められた真の強さが目覚める時がついに来た>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.1

ずっと爆発寸前の導火線を追いかけているような映画だった。怒りを押し殺し続けたその炎は、ついには火山の噴火のようにドロドロとした血飛沫のマグマを垂れ流す。もうその活火山は止められない!全てを燃やし尽くす>>続きを読む

ヒトラーに屈しなかった国王(2016年製作の映画)

3.8

英雄の定義はその国の歴史や背景によって全く異なるものになる。それぞれの国によって尊敬される行動の原理も違うため、我々日本人には測れない部分も多い。
この映画は、国民投票で君主国家を選択した歴史を持つノ
>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.4

自由の意味にすら気付けない。その列車は停車したまま、子供たちはいつまでも眠り続けていればよかった。だが、幸か不幸か子供たちは目覚めてしまう、考えることを許される世界を求めて列車は動き出してしまう。転が>>続きを読む

25時(2002年製作の映画)

4.5

本当のところは愛してた。それは凝り固まった雑念が削ぎ落とされて、はじめて見えた景色の先。人生はこんなにも淡々と過ぎていくのに、たった25時間が嘘のように愛おしく思えてくる。いくらロクでもない世の中を罵>>続きを読む

天国でまた会おう(2017年製作の映画)

4.1

めくるめく魔法のようなイリュージョン、摩訶不思議なマジシャンの住むアートの世界。仮面から覗く視線が生み出すのは、国家を相手にした一発逆転、大胆不敵な詐欺計画だ。汚職まみれの悪党共からむしり取り、夢のよ>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

4.3

耳をつんざく銃声が恐怖と共に追いかけてくる。その死神の声が狂気のように鳴り響くたび、劇中の子供たちと同じように戦慄し、目を見開いて震えそうな身体を支えている自分がいた。2011年7月22日、ウトヤ島で>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.2

白人と黒人、北部と南部、太い境界線が引かれた時代はまだ近い。だからこそ、この物語が実話であることには意味があった。全く正反対の男二人による、豪快かつ繊細な友情の旅路に込められた、たくさんの小さな奇跡。>>続きを読む

コロニア(2015年製作の映画)

4.1

すぐ底には地獄の口が大きな穴を開けていた。そこは戦争の負の遺産の吹き溜まりが蓄積された狂気の牢獄。どう考えてもフィクションとしか思えないこの世の終わりのような場所なのに、惨たらしいことにこの映画は実話>>続きを読む

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