カツマさんの映画レビュー・感想・評価

カツマ

カツマ

映画(1068)
ドラマ(0)

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.2

幸せになれるはずだった。錆びついた車輪、燻んだ景色。もうボロボロになった人生を見つめても、残されたのは虚無のような未来だけ。悲しみは降り積もり、愛する人から逃げ続け、時代の荒波に呑まれに呑まれ、どんな>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.0

フレームアウトしていた青春。どんなに頑張ってもスポットライトは当たらなくて、いつも『しょうがない』と思いながら自分の影を見つめてた。でもそんな日陰の方から声がする。泣きながら叫ぶ声が、フレームの外から>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.5

ずっと飛び方が分からなかった。背中に伸びているはずの翼、あとは羽ばたくだけでいいはずなのに。喜びより悲しみばかりが目に付いてしまうから、永遠のような鬱屈に呑み込まれては出口の前を彷徨うばかり。何度も灯>>続きを読む

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.9

ミステリアスは蠱惑な香り。まるで手招きするように、不敵な笑みは浮かんで消える。平凡な日常に突如として巻き起こる謎。それはムクムクと成長し、次第に危険な匂いを放ち出す。綺麗な薔薇には棘がある、だからこそ>>続きを読む

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.5

天空へと続く夢の道。それは登るにはあまりにも険しくて、その急勾配を前にたじろぐことしかできなかった。しかし、もう動き出した針は戻らない。走り出した脚は止まらない。どんなにそれが遠くても、周りに不可能だ>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.3

悲しみを包み込むように抱き締める。泣き濡れて、もうどうしようもなく崩れ落ちそうになった時、その溢れ出す想いは終わりのない波のように満ちていく。音楽の上をたゆたう海。青と赤の中間を泳ぎながら、若者たちの>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.8

どうしようもなく逃げられない。襲来する暴風雨のクローズドサークル、逃げても逃げても湧いてくる恐怖の捕食者。絶体絶命の状況下で必要なのは勇気なのか、それとも愛か。ハリケーンで水没していく家の中、父と子の>>続きを読む

リグレッション(2015年製作の映画)

3.5

闇の中で蠢く影。それは実体の無い何かのように滲み寄り、邪悪な夜に紛れ込む。その邪悪さの正体とは?諸悪の根源は何なのか?悪魔崇拝に怯える街は恐怖の色に染められて、真実の所在すらも見失う。とある事件は芋づ>>続きを読む

しあわせな人生の選択(2015年製作の映画)

3.9

残された時間にそよぐ出会いと別れ。誰も連れては行けない旅路を前に、大切な者たちへの刹那の花を手向けたい。サヨナラの意味の重さ。今生の別れ。いつか終わると分かっていても、その影には悲しみの色が重石のよう>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

4.6

何かがいる。闇に蠢く狂気の跡が瘴気のようにそこにいる。ストンと佇む椅子の上に、真っ白な壁の前に、追いかけられる記憶の中に、邪悪な気配だけを残してそれはいる。オープニングを切り裂く殺伐とした波音、そのナ>>続きを読む

オールド・ガード(2020年製作の映画)

3.9

永遠のような時間を生きる。それは果てしなく孤独な道程、終わりのない旅。限りある時間の概念から逸脱した最強の傭兵集団が、時代の膿を掘削するかのように暗躍する。最強、無敵、彼女たちの前に敵はない、はずだっ>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.0

曇天の日に傘も持たずに外に出た。でもそれでいい、気まぐれな雨は乾いた今を湿らせるから。雨粒に混じる少しだけ懐かしい匂いに傾ぐ、移りげな恋の味とは違う味。たった一日の出来事が人生の分岐のようにヒネくれる>>続きを読む

WASP ネットワーク(2019年製作の映画)

3.6

隠された真意、その裏にある真実。天秤にかけられたのは果たして何か。愛する家族、懐かしき故郷、それら全てを手放してまで成し遂げたかった大義とは。歴史の隙間でもがきながら、数奇な運命に翻弄される亡命者とそ>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.9

夜が帳の底から攻めてくる。疑心暗鬼は膨らみ、心は蝕まれ、人間は内側からタダれるように死んでいく。伝染するのは恐怖、抑えられない狂気。それら全てが爆散した時、危ういバランスは木っ端微塵に崩れ去り、あとは>>続きを読む

カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

4.2

一筋の光の道を走り出す。国を越え、人種を越え、鬱屈した日常を打ち破るための言葉と共に駆け抜ける。彼を貫いた電流のような歌声、その声の名はブルース・スプリングスティーン。我らがボスに導かれ、裸足のままで>>続きを読む

ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)

4.0

爆発する過去への憧憬。それはSFの黎明期へとタイムスリップするかのような映画体験。未知なるものは未知のまま、ヒタヒタと謎という名の姿をさらけ出していく。ただ、その謎めいた何かは見えず、我々は想像力とい>>続きを読む

薄氷の殺人(2014年製作の映画)

4.0

凍てつく空に色のないネオンがあがる。それはパチパチとした音を立てて消えゆく刹那、愛も死も置き去りにするかのように殺伐とした余韻を残す。この映画は殺人事件を描いたサスペンスである。しかし、その温度は外気>>続きを読む

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

3.9

3人ならどんな冒険だって怖くない。ビールだって飲めるし、6キロ先のモールに買い物に行くことだって出来る。6年生の日常はいつだってドタバタしていて、一寸先にはちょっと小粋で危ないことばかりが溢れてる。だ>>続きを読む

残酷で異常(2014年製作の映画)

3.7

メトロノームは止まらない。右に左に揺れ動きながら、生と死の狭間に映る罪と罰。そこはどこ?繰り返すのは何故?永遠の輪廻のように、天国にも地獄にも行けない儀式の幕が開く。彼が現世に忘れてきたものとは?もし>>続きを読む

ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

4.4

彼女はずっと探していた。誰のために、何のために歌うのか、自らの魂の在り処を、もがきながらも探し続けた。きっと夢は掴めない、例えどんなにその歌声が人々の心を震わせることができるとしても。挫折と希望が反復>>続きを読む

メルテム 夏の嵐(2019年製作の映画)

4.1

搔きわける海の水面に消える影。その雄大な景観は優雅なおもて面の裏側に、出口なき悲しみの輪廻を映し出す。ひと夏のような出会い、それが青春時代のように淡いだけなら良かったのに。うら若き青年たちの視点から、>>続きを読む

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.3

記憶の底に未来へのパズルのピースは埋まっていた。バラバラになったそれらを繋ぎ合わせ、完成した一枚の絵。そこにあったのは精神の解放と人生の次なるページ。パラパラとめくる手はもう止まることはないだろう。彼>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

4.0

ずっと忘れない。あの奇跡のような日々を、夢のような時間を。月にかかる橋、一緒に渡ったハロウィンの夜。二度と戻れないからこそ、少年時代の想い出はこんなにも泣けるほどに美しくて、儚く優しく記憶の奥底に残り>>続きを読む

ビッレ(2018年製作の映画)

3.9

楽園なんて初めからなかった。幻だったユートピア、燻んだ色の現実。罵られ、愛の形すらも掴めない日々。一生埃にまみれて生きていくしかなさそうな人生の出発点が、実はある伝説的な作家の才能を育んでいったとは、>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.5

幸せってなんだろう?愛するって何?たった一度きりの人生だから、その道筋と結末を永遠の命題のように問いかける。時と共に人は変わり、美しい想い出がもう追いつけないくらいに過去になっても、人はそれぞれに違う>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.2

名も知れぬ英雄がいた。彼は子供を愛する普通の父親、日銭を稼ぐのに必死な、どこにでもいるタクシー運転手。だが、彼がいなければ悲劇からの脱出も無かった。暴力への一矢が放たれることもきっと無かった。歴史にそ>>続きを読む

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

4.3

過去を無かったことにするなんて不可能だ。そこには死守されるべき未来がある、塗り替えられるべき歴史がある。その願いを、慟哭を、メッセージを、映画という媒体で発信してきた男、スパイク・リー。彼の叫びのよう>>続きを読む

ポセイドン(2006年製作の映画)

3.7

サイコロの目を振るように生き残る術は驚くほどに非情な選択。一歩遅れを取れば濁流に呑まれ、一つの選択を間違うだけで他の死者たちと同様の運命が待つ。正解などない中で一筋の道を突き進み、その幸運という名の結>>続きを読む

アンノウン(2011年製作の映画)

4.0

自らの人生が奪われる。妻も思い出も交友関係すらも剥ぎ取られ、何者でもない誰かになって彼は彷徨う。四方八方塞がれて、四面楚歌の絶体絶命。それでも人生を取り戻すための決死の激闘はとどまることを知らなかった>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

こんなに緩いゾンビ映画があっていいのか?いやいや、それをアリにするのがジム・ジャームッシュという映像作家。ゾンビですら太刀打ちできない彼のワールドは、マイペース&アンニュイに弾け飛び、俳優たちはいつも>>続きを読む

夏をゆく人々(2014年製作の映画)

3.8

何もないような日々にさざめく想い。青春時代は生活の糧に消え、当たり前の日常が淡々と横たわり続ける人生。動きたいのに動けない。もはや閉じているのかどうかすらも分からない。だからこそ、彼女のほんの一歩が大>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.8

スカッと●パンというまるでスカッとしない番組をご存知だろうか。何故スカッとしないのかというと、ハラワタが煮えくり返るほどの憎々しい人物に散々イライラさせられた挙句、その人物には結局ちょっと恥をかいてお>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

4.0

復讐の影に蠢くパズル。暗躍する虚ろなピースはばら撒かれ、鋼鉄の街を血の色に染める。増幅した怒りのやり場を求め、その男にはもう改造人間となる道しか残されてはいないのか。出口など見当たらない。しかし、もう>>続きを読む

暗数殺人(2018年製作の映画)

3.9

暗幕に沈む殺意。狂気を操り、悪魔を宿す。そんな恐るべき命の伐採の前に正義とは、善とは、何の意味も持たないのか。蓄積した悲しみが泣くように、埋められたいくつかの死体の遺志を継ぐように、一人の刑事が捨て身>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

4.0

燃え盛る地表のバトル!反転する世界、爆散する大気、それら全てを繋ぎ合わせる極限の映像技巧が炸裂する!アニメ映画の新たな大定番となるか、角形が炎のように散りながら、溢れ出る情念の爆発をそのフィルムの中に>>続きを読む

37セカンズ(2019年製作の映画)

4.2

こみ上げる想いよ、切に。羽ばたける時間はそこに。少しだけ低い視線から彼女はそっと飛んでいく。もう一人ではない、広い風に、求めていた温もりに、宇宙人が見ている空に、全てに包まれながら飛んでいく。それでも>>続きを読む

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