カツマさんの映画レビュー・感想・評価

カツマ

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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

4.0

ミクロの果ての果てには宇宙があった。深淵は次なる脅威を予感させ、そして、マルチバースの新たなる扉は開く。彼は絶対的な征服者、封印されていなくてはならない存在。そのパンドラの匣を開いた時、圧倒的な敵の姿>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

4.3

反転する悪夢。過去はリアルのように横たわり、歴史の奥で蠢いている。過去から逃げることはできない。だが、しかし、それでも今という時間は確実に進み続ける。人種差別の根源は深く、未だに人類は平等という名の、>>続きを読む

皮膚を売った男(2020年製作の映画)

4.3

自由を手に入れたはずだった。母国は混沌とした情勢の淵にあり、彼は外の世界を求めていた。それなのに、手に入れた人生は思いもよらぬ動乱の旅。愛する人との運命がいつか交わるはずだと信じていたのに。彼は売るべ>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.4

人生を探してた。心は痛み、哀しみを纏い、それでも愛を求め続けた。それなのにそれは惨めなほどに見つからない。今も昔も同じように、光はそこに射しているはずなのに。海は青く漂い、窓越しには美しい景色が映える>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.7

大冒険はどこに行く?島に拉致され、敵キャラたちから逃げまくり、あるかも分からぬ財宝の行方を探す。これは表面的にはアドベンチャー?それともコメディ?いやいや、実はどストレートなラブストーリーが正解だった>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

それは突然の出来事だった。ある日、降って湧いた孤独、気付くべきではなかった退屈。もう二度と交わることはないのか?昨日まではあんなに仲の良い友人だったはずなのに。人の心は空の雲、漂いながら天気を変える。>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.8

流れるままにゆるゆると。誰かの視線をヒラリと交わし、街のどこかで生きている。彼女は何者?謎は謎は呼ぶけれど、気が付けばそんな彼女を追いかけていた。寂しさを身体に纏い、孤独と共に歩いている。彼女はちひろ>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

その時、確かに世界は闇の中にあった。戦争が起こるすぐ手前。何かのボタンを掛け違えたら最後、火薬庫の導火線は火を吹いて、第三次世界大戦は現実のものとなっていた。だが、その恐るべき危機は避けられた。何人か>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.5

ヒーローは孤高のままに。哀しみを背負い、見返りを得ず、ただ、朧げな正義のために闘っていく。それは遥か昔、偉大な先人たちによって表現された仮面ライダー、その原点。影を切り、風と走り、そして、必殺のライダ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

増幅するカオス、爆発する時空。そこにあるのは収集不可能になった物語の残骸か、それとも完璧に構築された芸術としての姿か。いや、そんな概念すらも覆すほど、この旋風は圧倒的な渦を巻いた。その嵐の先に待ってい>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.3

人生を、生きてきた。長い長い日々を翳りゆく身体と共に。その先に待つのが孤独のような日常ならば、残されるのは死という選択肢なのだろうか。これは極端な例としてのフィクション。だが、決して非現実的なテーマで>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

分からないことがあった。愛する人が何を考え、何を伝えようとしていたのか。分かるはずもなかった。その人はもうこの世におらず、語ることなど出来やしないのだから。それでも残された者は悩み、苦しみ続ける。進む>>続きを読む

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.7

閉じ込められた校舎の中。幽鬼は歩き、顔のない自分が迫る。そこはどこ?現実はどこにいった?いや、その時代は現実こそが悪夢そのもの。自由は奪われ、密告の輪廻が無為に命を刈り取っていった。これは恐るべき時代>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.8

哀しみが深過ぎる。その気高き背中、大らかな声、強き身体と心、全てがあまりにも大き過ぎる存在だった。その不在は埋まらない。巨大な穴を塞ぐことなどできやしない。それでも、物語は、残された人々は前に進むこと>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

4.0

開けてはならない禁断の扉。悪魔は笑い、すがる者は修羅へと堕ちる。恐るべき連続殺人事件の背景に透けて見える、凶悪な殺意とは果たして何か?一人、また一人と、毒牙は無慈悲な刃を立てる。降り積もる雪と凍てつく>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.3

水面に映る哀しみの影。愛しき人の残像が、ただ浮かんでは消えていく。運命はそこにあり、非情なほどに愛の迷路に惑わせた。神話のような寓話、それは現代を舞台にしたお伽噺か。彼女は水を抱き締める。そう、愛する>>続きを読む

エスケープ・ルーム2:決勝戦(2021年製作の映画)

3.9

悪夢は終わってはいなかった。望むはずのない決死の舞台。死のサバイバルはついにファイナルの火蓋を切った。集められたのはサバイバルを勝ち抜いてきた強者、幸運の持ち主ばかり。だが、逃走するだけでは終われない>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

美食の旅は至高の境地。それは厚顔強欲、ブルジョワたちの満潮の無い舌舐めずり。そんな俗物たちに相応しいメニューがあるとしたら、極端な結論としてこんな奇怪な夜が待っていた。暴走に次ぐ暴走、逃走の果ての諦念>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.0

大自然の風景に不穏な影が潜む。忍び寄る何か、恐るべき実体は見えないままにその美しい大地に禁忌は滲む。それはある幸福の形。ただし、恐らく普通ではないケースであった。存在するのは夫婦と羊たちによる牧歌的な>>続きを読む

神が描くは曲線で(2022年製作の映画)

3.7

蜃気楼の上を歩く。それはユラユラとした実体のない真実の形。だからこそ、その真相は信じるか否かという曖昧な基準の上で判断される以外なかった。ある夜の惨劇は二転三転、捩れ続け、神の描いた曲線ですらなぞって>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿2(2022年製作の映画)

4.0

夢のような二次創作はまだまだ続く!?シャーロック・ホームズにじゃじゃ馬の探偵願望の妹がいたら・・?という創作から端を発したシリーズは、実写化でも新たなフェーズに突入する。目の前には難題ばかり、でも、エ>>続きを読む

スクリーム(2022年製作の映画)

3.8

惨劇は終わらない。いつしかホラー映画の王道となり、シリーズ化され、オリジナルメンバーが再出演することになるほどにあの叫びの夜は終わらない。これは作為的な世代交代?いやいや、何も変わらない悲劇の連鎖が2>>続きを読む

聖なる証(2022年製作の映画)

4.3

もはや正しいかどうかに意味はない。信じるか、または信じられるか。物語からどのようなメッセージを受け取ることができるか。それに尽きるのかもしれない。外側も内側も創作かどうかはさておき、受け手に委ねること>>続きを読む

キャメラを止めるな!(2022年製作の映画)

3.8

大爆笑の火の粉がまさかのフランスに飛び火!ほぼほぼそのまんまのリメイクがここに爆誕!にも関わらず何かが違う?同じはずなのに何故?やはりオリジナルは素晴らしかった。だけれども、このリメイクもなかなか健闘>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.3

空虚な響きだけがそこにある。地獄のような戦場、弾け飛ぶ命。兵士たちが夜空の星になっていくのはひたすらに無為、意味があるとは思えない作戦に次ぐ作戦。指揮者は行燈と己を語り、若者たちは死んでいく。それが戦>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

4.2

抗争は血で血を洗う修羅の始まり。それは真っ向からぶつかり合う狂気の刃と打尽の槌。悪人ばかりが跋扈する街で、丸太のような太い腕が仁義なきバトルの先で無双する。力に対抗する力。暴力に負けない威勢。犯罪都市>>続きを読む

グッド・ナース(2022年製作の映画)

4.2

沈黙は心の内と静寂を語る。平熱の殺意、誰にも悟られない狂気。その真意はどこにあった?何度語りかけたとしても、その言葉は濃霧の奥へと消えていく。彼は良き看護師の、はずだった。良き友人でもあり、優しい一人>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

響くのは無音の竪琴。静寂の中に沈むそれは絵画のように心音を鳴らす。迫り来る鼓動の調べ、愛という名の感情はただ風景の残像となって虚空を舞った。時は鬱ろう、世は耽る。それはそう、美しい記憶の中で生きていた>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.2

銃弾の音が突き破る。沈黙の闇を、民主主義の夜明けを、独裁政治の終わりを、まるで明るい未来が待っているかのように。だが、それは新たな闇の始まり。それを知らない男は、過去を精算しようとその心血を削れる場所>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.9

冒険は夢へと繋ぐ羅針盤。宝の地図に黄金の財宝、それは未知の世界のアドベンチャー。その始まりの第一歩、兄との約束を胸に今、弟は信用ならない仲間たちと旅に出る。飛行機からの決死のダイブ、地下のダンジョン、>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.0

その荒野の先まで畦道は続く。人生は難しく、老齢にしてもまだ生き足りることはない。いつしか始まった二人と一匹の奇妙な旅路。永遠に続くことはない時間でも、その学びの日々は永久に消えない礎となる。進むのか、>>続きを読む

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.8

真実は無数に貼られた伏線の中。謎という名の藪の先。それは完璧に構築された物語の先の先。明かされなかった真実が、待たれていたかのように解き明かされる。この終着点が本当のラスト?シリーズは更に深いところに>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

4.3

ただ目の前は寂寞の色に染まった。街から離れ、知らぬ土地で誰かを愛し、幸せになれるはずの風景があった。何が間違っていたのか?愚か者は誰?それはまるで故郷の街が束縛しているかのように、どうしようもない慟哭>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

4.4

戦争が始まった。哀しみは降り積り、そして、負の連鎖はもう止められないところまできてしまった。こんなはずではなかった。止められるはずだった。しかし、悲劇は新しい悲劇を生み、哀しみは底の見えない憎しみへと>>続きを読む

サイン(2002年製作の映画)

4.3

奇跡を信じるか?潜む謎、襲来する恐怖。絶体絶命の危機においてもなお、あなたは奇跡を信じることができるか?それは啓治か、それとも幸運な偶然か。『サイン』は確かにあった。だが、それに意味を見出すことは難し>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.4

静寂が止まらない。ムクムクと膨れ上がり、哀しみが押し寄せたとしても、音のない時間は続いた。淡々と忍び寄る悲劇。何事もなく聴こえる悲鳴。凶弾は平熱を帯びてなお、その足音を響かせることをしなかった。ヒタヒ>>続きを読む

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