頭の上の赤い林檎

アイアンクローの頭の上の赤い林檎のレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
1.9
 う〜ん…期待していただけにちょっと残念。

 実在したプロレスラー一家を題材にしたヒューマンドラマ。
 確かにプロレスの知識は俺自身浅く、知らないに等しいが、それにしてもしっくりこない内容。

 悪役プロレスラー、アイアンクローとして名を馳せたものの、チャンプにはなれなかった父が4人息子にその未練をそれとなく押し付けていく。
 
 ザックエフロン演じるケビンがそんな父に振り回される息子の1人。彼視点からエリック一家を見ていく。
 最もしっくりこなかったのはそんなケビンに全く感情移入できなかったからだと思う。物語で主人公の気持ちに少しも共感できなければそりゃ面白いと思えない。

 生まれながら未練を押し付ける父の思想の下育ち、薄々そんな父に違和感を覚えながらも、今の生活に妥協し何も言わない母。そんな中次々兄弟が呪われているかのように命を落としてく。この過程を見守り、父の期待に応えようとするしかできないケビンには確かに同情する。しかし、それ以上に父の古き良きスポ根パワハラ体質に対して最後まで屈するしかなかったのが、物語として、映画として見ると不快感の方が鑑賞後強く残った。
 ケビンは最終的に父の呪縛から逃れ、家族と共に過ごすことができていいエンドとも取れるが、エンドロールで出てきた4人?か5人の息子たちと13人の孫。孫を空に高く放るケビン。息子たちの雰囲気。あれ、これ父の悪いところがうっすら匂うのだが…

 まあ、それに関しては推測であるし事実無根だ。が、終始振り回され続けるだけのザックエフロンにはどこか違和感しか覚えず。バトルシーンも悪くはなかったが、う〜ん…これと言って印象に残るところもない。ザックの肉体美はパーフェクト。
 期待しすぎたかな。まあ、A24だから当たらなきゃこんなものだよな。