ひなぎく

アイアンクローのひなぎくのネタバレレビュー・内容・結末

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ハイスクールミュージカルから応援しているザックが…太い首にバキバキの筋肉、可愛いミュージカル俳優から演技派に転向したとはっきりわかる作品だなと思いました(ちょっと寂しい)


⚠️以下ネタバレしています。


幼少時代から父親がレスラーとして戦う姿を見てきたケビンとデビッド。

時が経ち、立派に成長したケビン。
プロレスで州チャンピオンになる→五男マイク、父親から体重を増やせと注意される。
父親「期待しているのはオリンピック選手のケリー、ケビン、デビュー戦のあるデビッド、そしてマイクだ。ランキングは常に変わる」と豪語。
マイクにやたら厳しい父親に母親から注意してくれと頼むケビン。
母親「兄弟で解決してよ」

父親は厳しかったが、常に仲良くお互いを居場所にする兄弟たち。
五男のマイクは友だちとバンドを組んでおり、本当はプロレスより音楽が好きだった。
ギターを弾く姿を見せたり、バーガーが食べたいとねだったり、そんな弟を兄たちは可愛がり、そしてさりげなくサポートした。

デビッドもデビューし、人気者になるケビンとデビッド。
2人は試合後にファンの女の子たちにサインするが、ケビンにのみサインを求めてきた美人で勝ち気なパムにドキドキ…
デートした際、真面目な性格のケビンに長男らしいね、と言うパム。
実はケビンは次男で、自身が5歳の時に他界したジャックJr.という兄がいた。「次男症候群かな」と呟くケビンを抱きしめるパム。
パムは獣医になり、開業したい、子供を産みたい、それを許してくれる夫も欲しいと夢を語る…ケビンの夢は、兄弟といること。そして牧場を買って大家族で暮らすことと話す。

世界王者のハーリーとノンタイトルで試合するケビン。
コンクリートに叩きつけられるも何とか這い上がりリングへ。
ハーリー、失格負けもケビンを攻撃。
デビッドが応戦し魅力的なマイクパフォーマンスで観客を惹き付ける。
試合後、ケビンに立ち上がりが遅いとキレてデビッドを褒める父。
父親の期待が弟に移りかけてることを察するケビン。
兄弟でタッグを組んで試合→儲かりまくる。

アメリカがオリンピックに参加出来なくなり、ケリーは帰国する。
パムを交えたランチで、マイクはテキサス大でライブを開催するから出かけたいと頼む。
両親は反対したが、兄たちとパムの協力で外出に成功。
マイクのバンドのライブは成功。
また持ち前の運動能力と明るい性格で周りを楽しませるケリー。
そしてケビンとパムは愛し合う。

ハーリーを先に倒したリックフレアーにイラつく父親。
ケリーに「強制はしないがプロレスをやってくれ」と言う→実質的には強制…というか、父親の言うことを断れないケリー
ケリーはあっという間に頭角を現し、三兄弟でタッグを組んで試合を行い、さらに有名になる。
世界タイトルの試合をデビッドが受けることに決まり、来日が決定。
ケビンは父から見放されないかが心配になる。

ケビンはパムと周りに祝福されて盛大な結婚式を挙げる(リリージェームズが可愛すぎた)
実はパムのお腹には赤ちゃんが宿っている。
結婚式の最中、トイレで吐血するデビッドを発見…
心配するケビンに胃けいれんだから大丈夫と言うデビッド。
本当はデビッドに先を越されてムカついていたとも本音を打ち明け、兄弟は改めて絆の強さを確認し合う。

しかし…デビッドは腸が破裂し、日本のホテルで亡くなってしまった。
日本滞在中にデビッドがケビン宛に書いていた絵はがきを見つけ、そこには「ケビンと間違われてサインをせがまれて嬉しかった。次は一緒に来てくれよ。寂しいから」と書いてあった。

最愛の兄弟が亡くなり、悲しみに暮れるケビン、ケリー、マイク。
しかし父「涙を見せるな、誰がデビッドの代わりに世界戦出る?」と息子らに問いかける。(とんでもないな)
コインでケリーに決定し、ケリーは世界王者になる。
その夜…趣味のバイクに乗り、マイクは事故により右足首から下を失ってしまった。

自動的にマイクが試合に出る流れになり、兄から指導を受けて特訓するマイク。
試合中に肩を脱臼し病院に運ばれ、42℃の熱が2時間出たことにより昏睡に陥ってしまう。

自身の一族の呪いを恐れたケビンは、産まれた息子の名前を改名していた。
パムから育児を頼まれるも身が入らない。

奇跡的に回復したマイク。
デビッドの代わりを求められているようで怖いと母親に本音を話すも、母親は神がいると言い放ち実質何も対応しなかった。
一方ケリーは復帰に向けて練習するが思うように動けない。
そんな中、追い詰められていたマイクは「ここより楽な場所に行く」とメモを残して自殺してしまった。

世界王者・リックフレアーと対戦したケビンだったが、様々な感情からつい失格試合をしてしまう。父親の必殺技・アイアンクローで相手を攻撃して…
試合後のケビンは何かが切れたように無気力になるのだった。

数年後、ケビンは父親の会社を継いでレスラーの育成を行っていた。
経営は困難で、その上過去の帳簿から自分の活躍に応じた給与をもらっていないことを知る。
父親を問い詰め、かつ会社を売却したいと話す。
父親「実家にいたから経費として差し引いた金額を渡していた。
売るために会社を譲ったんじゃない。
40近いんだから自分で何とかしろよ」とケビンを突き放す。

クリスマスに彼女を連れてきたケリー。
ケリーは父親のつくった団体から他の団体に移籍して活動していた。
父親の趣味である銃をプレゼントする→父親「で、いつ世界王者になるの?」

明け方。ケビンにケリーから電話がかかってくる。
ケリー「新しい契約もない。この先が怖い。」
ケビン「家に来いよ」
ケリー「甥っ子たちにこんな姿見せられないよ。もう終わりにしたい」
ケビン「今どこだ?迎えに行く」→電話が切れる
ケビン、父にケリーを気にかけてくれと電話をかける。
父「兄弟で解決しろよ」

翌朝実家に向かい、銃声が響く。
ケリーは父親にプレゼントしていた銃を持ち出して自殺を遂げた。
やって来た父に長年溜まっていた不満をぶつけるケビン。
なぜ、自分たち子供を気にかけなかったのかと…

ケリーの遺体を実家の中に運ぶ。
実家には「あの世がどういう場所かわからないが、この世よりマシだと思う。兄弟のところに行く」というメモが置いてあった。

ケリーは自分の足を取り戻し、兄弟で泳いだ湖をボートで移動する。
そこにはめかし込んだデビッド、ギターを持ったマイク、そして初めて会う兄・ジャックJr.と会うことが出来て抱き合った。

会社を売り、パムは3人目の子供を妊娠。
息子たちが遊ぶ姿を見て涙を流すケビン。
息子たち「パパどうしたの?」
ケビン「パパにも兄弟がいたけど、もういないから」
息子たち「泣いていいんだよ、みんな泣くよ。僕は泣いてばかりだ。
僕たちがパパの兄弟になるよ」


エンディングにて…
ケビンはパムと結婚40周年を迎え、4人の子供と13人の孫に囲まれ、夢だった牧場を買って生活している。



マイクの下にもクリスという弟さんがいたらしいです(彼も自死されたとのこと)
尺の関係でクリスさんのエピソードは映画には出せなかった、とサイトで読みました。
しかしマイクが音楽好きという点は、実はミュージシャンになりたかったというクリスさんの夢を表現した演出だったみたいです。

ケビンの息子2人は現役でレスラーとして活躍しているそう。
ケリーには2人の娘さんがいて、1人は2007年から2010年までフォンエリック家で初の女子レスラーとして活躍したとのこと。

父親も息子らを抑圧していたが、自分的には母親の行動も理解出来なかった。
悩んでる時は息子らに寄り添って夫に意見してほしかった。

ケビンはもちろん、フォンエリック家みんながこの先ずっと幸せでいてほしいなと思う。




4.26
2回目の鑑賞。
DVD出たら買う。
ひなぎく

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