いい笑顔でした
久々に掃いたズボンから500円玉が出てきたらうれしいですよね。
ずっとそこにあったのを気付かなかっただけなのに、なぜか得した気分になる。
そんな思わぬ収穫感を味わえるのがこの映画。
公開して大分経っていたのに、機会に恵まれず観ることがなかった作品。
ある時に気が付いて観てみたというわけ。
とってもいい作品でした。
うだつの上がらない中年刑事が証人を法廷まで護送するよう命じられ、その護送が思わぬ事件へと発展するという話。
ブルース・ウィリス演じる中年刑事のダメっぷりが最高で、冒頭からやる気ゼロ感をみなぎらせてます。
そして、証人を演じるのがミニミニ大作戦で爆破のエキスパートを演じたモス・デフ。
この人、ヒップホッパーなんですね。
最近気になっている俳優。
無口でやる気なしのブルース・ウィリスに独特な口調でひたすらしゃべりまくる。
その釣り合わない感じがおもしろくてとても良い掴み。
法廷までの、16ブロックの区間。
15分で終わるはずの仕事だったのに。
証人をめぐり事件が思わぬ方向へ向かっていきます。
目的地に行くだけという単純なストーリーを、スリリングなアクションものに仕上げているその手腕。
見せてくれたのはリーサル・ウェポンシリーズのリチャード・ドナー。
ど派手なアクションはなくとも、上手く話がまとめられていて退屈しません。
徐々に互いを受け入れていく展開はありがちだけど好きな展開。
その中で、無気力な刑事が正義感を取り戻していく過程に熱いものを感じます。
そして結末。
正義に目覚めた刑事の決断にはうるっとしてしまう。
やはり、ラストシーンの笑顔。
人の笑顔ってこんなにも心を動かすんですね。
ポケットの500円を見つけたときもあんな笑顔だったかしら。
いやいや、それよりも遥かにまぶしい笑顔。
必見です。