平田一

Saltburnの平田一のレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
3.9
些細な親切から始まった階級差の友情が異様な緊張感を常に醸していたのが怖くって、しかもどこの階級でも卑屈や嫉妬が溢れてて、以前観た『リプリー』よりも不穏濃度がハンパない。しかもバリー・コーガンが演じるオリヴァーのヤバさ、バスタブのあの場面は言葉失いましたね…。

しっかし開始23分でもう疲れたこの映画、監督の前作(『プロミシング・ヤング・ウーマン』)よりも体力メチャクチャ削られる…でも『リプリー』が破滅的な片想いの話に対して、この映画は双方の横恋慕と言いますか、無自覚に抱え込んでる他者への勝手な押し付けあいとそれ故に破滅していくお話に見えました。

で、ラスト8分で明かされるタネ明かし。そこがもう戦慄すぎて、猛烈に爽快です。邪悪度合いじゃ『リプリー』が児童向けに見えてきて、バリー・コーガンとエメラルド・フェネルはやっぱ最高ですw
平田一

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