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007は二度死ぬ 4Kレストアのワンコのレビュー・感想・評価

007は二度死ぬ 4Kレストア(1967年製作の映画)
4.5
【トヨタ2000GTカブリオレ】

※ BOND IS BACK 60 years 007 4K

日本が舞台の作品。
そして、脚本は「チャーリーとチョコレート工場」の原作者ロアルド・ダール。

現在の緻密なCGが当たり前となったのとは異なり、少し安っぽく感じるところもあるが、かなり大掛かりな仕掛けを考えていたんだと思って感心もした。

1960年代のキューバ危機や、米ソの宇宙開発競争、そして、経済大国への道を歩み始めた高度経済成長下の日本をモチーフにした作品で、国際的犯罪組織が画策する米ソの核戦争を、イギリスの諜報組織が、日本で日本の公安の協力を得て阻止するというストーリー内容だ。

イーロン・マスクのスペースXが何度も失敗している垂直着陸を難なくこなすロケットが登場して、スペクターの技術はすごかったんだと改めて思わされる.....というのはご愛嬌として、こんな発想をこの時代にしていたのかと思うと、改めて時代の先を行っていたんだと感じる。

日本のタイトルは「007は2度死ぬ」だが、オリジナルタイトルは「You Only Live Twice」で、主題歌の序盤の歌詞は、”つまらない人生と夢を生きる”となっているが、これはスパイの人生を表しているのであって、序盤にジェームズ・ボンドが死ぬふりをしたからというわけではない。

丹波哲郎の英語での演技は目を見張るし、若林映子と浜美枝はとても美人だし品がある演技をしていて、こんな感じの女優さんは最近は見かけないなと思った。ただ、男性にかしずくというところは、言うまでもなく時代を感じさせる。

サンダーバードばりの秘密基地や、近代的な基地内の移動手段のアイディアも未来的で感心させられるが、これと対抗するのが忍者というのは、どんなもんかいとちょっと思う。まあ良いけど。
それに、力士が英語を話してジェームス・ボンドを案内するというシーンも、相撲がこの頃から海外でも注目されてたのかなんて思ったりもした。

更に、ボンドカーではないが、序盤に疾走する車は、トヨタ2000GTカブリオレで、日本初の所謂スーパーカーというやつで、現在でもマニアの間では高額で取引されている。

ショーン・コネリーがこの作品を最後にジェームズ・ボンド役を引退するし、ストーリー展開に加えて、日本人として、いろいろなところに注目して楽しむ作品じゃないかと思う。
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