リミナ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のリミナのレビュー・感想・評価

3.7
※原作未読

浅野いにお氏の完結済み同名漫画が原作。劇場作品として前後半の2章構成となっている。

3.11の震災をモチーフとした日常の中に突然訪れた驚異と自然に許容されていく異常性を高校生の主人公らとその周囲、政府・自衛隊の視点から描かれる。デフォルメされたキャラのデザインで中和はされるが、現実にも通じるブラックユーモア、偏った考えを持つ人物像で突き刺してくる。

主役2人の声優は本業が声優ではない幾田りらとあのだが、演技で特段気になるところはなく、むしろ凰蘭役のあのが声質もキャラクター性も合致していて親和性が高かった。特に門出と凰蘭が階段で喧嘩しているシーンが印象的。

映像的には劇場作品としてはもう一押し欲しかったというところ。後章に期待したい。

気になったのは街中で母艦からの偵察機を自衛隊が撃墜するときに、劇中で一般市民へ停電や避難の案内が出されていなかったが、それも異常性を表しているということなんだろうか。

あと本編とは関係ないが、映画館の開場アナウンスで本作のタイトルを噛まずに言っていたのが面白かった。
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