ゴリゴリに抉られた。ディストピア世界を舞台にした日常を描く事で、繊細で鋭利で醜悪な人間心理とその存在の不条理がより強調されるストーリーが、巧いに余りある。可愛らしい絵柄からは想像し得ないハードで居心地の悪い感覚を残す、これぞな浅野いにお作品。
日常風景とギャップのあるSF描写が凝られた作画、劇場映えしてすごく良かった。主演の二人が想像の何十倍もハマっていたのは良い意味で裏切られた。幾田くんもあのちゃんも、こんなに感情豊かに演技出来るなんて、普段の姿からは全く想像出来なかった。これまで観た本業声優以外が主演にキャスティングされたアニメ映画の中で、断トツ良かったかも。後編も期待大。
浅野氏からも製作上の心配なニュースが入っていて、実際後編も公開延期になってしまったよう。素晴らしい作品なだけに、一層無理はせずに製作を進むことを祈る。。
