ピコ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のピコのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

どこを取ってもも原作を超えられない映像化に、何の意味があるのか?
映画として観れば悪くない。しかし、原作ファンとしては期待未満。この映画の良いところは全て、原作の力である(ストーリー・台詞・構図など)。
映像化ならせめてリアリティは増すかと思ったが、アニメという表現方法のせいなのか、むしろ薄まっていた。
まず、主役二人の声優が合っていない。門出とおんたんは「どこにでもいる」人だ、というのは私の願望にすぎなかったのかもしれない。声優担当の方々ほど可愛い声の高校生は、そうそういないだろう。この二人を起用したことで門出とおんたんの非実在感・キャラクター感が格段に上がってしまい、没入できなかった。しかし、作者が納得しているのなら、ただの解釈違いとして受け入れざるを得ない。
そして何より、演出が安易すぎる。感動させたいシーンで感動的な音楽を流したり、感動的な演出をする度に違和感があった。観客をどう変化させたいのかが、あまりにもわかりやすい。また、原作で印象的な「読めないひらがな」をまさかそのまま画面に映すとは思わなかった。どんな音にするのかと期待していたのですごく残念。一方、大葉くんの台詞(侵略者語)はとても良かった。
全編通して、原作をただそのままアニメ化しただけのように感じた。構図も、絵柄(キャラクターの細かな表情)も、原作そのもの。
アニメでなければいけない理由がどこにも無い。
ただ、エンドロール前の一瞬と、また高校生女子キャラクターの下着を映していない点だけは良かった。
色々思うところはあるが、後編にはアニメオリジナルの展開があるそうなので観る予定。
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