マナブキモト

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のマナブキモトのレビュー・感想・評価

4.5
2024年のアニメベスト決まり。
浅野いにお先生原作。
東京上空に謎の巨大円盤が出現。何をするわけでもなく、ただただ上空を漂う不穏な存在。たまに小型の飛翔体がやってきては自衛隊に撃ち落とされたり捕獲されたり。そして、その存在が「日常」になった三年後の東京を舞台に物語が始まる。
小山門出と中山凰蘭の二人の女子高生の日常を中心に、突如差し込まれた「不確定要素」と共に生きることを強いられた人々の物語。
幼少時エピソードパート(マルチバース?)が衝撃的。「私だったらこうする」の世界の構築が、ままらななくなった時の途方の暮れ方。劇中に挿入される「イソベやん」の世界観との交錯。
放射能の残留や、自衛隊の過剰防衛、政治家の雲隠れや、マイノリティーの居場所としての東京など、現代事象の詰め込み方の濃度が凄まじい。
そして主役二人に息を吹き込んだ幾田りらとあのが素晴らしい。浅野先生の漫画がまるで当て書きのように冴え思えてくる。
後章は五月下旬。生き延びなければ。
マナブキモト

マナブキモト