きょ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のきょのレビュー・感想・評価

5.0
終わらない日常・永遠とクソやばい世界


浅野いにおが、唯一結末を変えたいと願い、今回の映画制作によってその希望が叶った形となった。新たなエンディングは、優しさに溢れ、虚しさと強いメッセージ性が残る。
また、でんぱ組の挿入歌と刺激的な映像の組み合わせ。
原作と同様に、気に入った。


世界を犠牲にしても、大好きな人を守り抜く。何故なら、彼女は「絶対」で、彼女にとって自分は「絶対」だから。
とても独善的で、独りよがり。けれどもその根底にあるのは底知れぬ愛。
青春の邪魔をする、疲れ切った大人たちは、皆弾け飛んだ。
粉々になっていく東京を背景に、何処よりも平和な彼女らの対比が美しく、涙がでた。


この物語は、僕らの青春、そして目を背けつつ生き抜いた現実そのもの。
メタファーより、誇張に近い。

光に包まれた東京は、愚かな人類と侵略者に対する報いであり、思想をぶつけ合うことの結果でもある。
普通の人と、偉そうにしてる人。
身勝手に騒ぐ連中を横目で見ながら、手を繋ぎ、世の中を冷笑する。
世界を傍観する姿勢が、あまりにも自分と重なり、存在として認められる感覚。
良い。

東京で鑑賞することができて良かった。
スクリーンの中が限りなく現実に近く、劇場の外、街を眺めている気分だった。


愛してるぞ!はにゃにゃふわ〜
きょ

きょ