わに

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のわにのレビュー・感想・評価

2.0
"原作に忠実"とは別の意味で、良くも悪くも脚色されていないと感じた。
"良くも"と感じたのはキャスティングやキャラクターの描き方がしっかりしている点。『デデデデ』のテーマ的に一歩間違えれば、ある特定の層が大喜びするような政治利用になりかねない、そんな危うさ(そしてそれこそが魅力)を守り抜いていると思う。
"悪くも"と感じたのはやはり前編にもあったように、映像作品である意味をあまり感じなかったことである。おんたんが象徴する"アクション性"はアニメーションとして活きていなかったし、何か漫画になかった驚きがあるか?と言われるとなかった、と言わざるを得ない。
セリフの情報量の多さやユーモアは削がれてはいなかったものの、凡庸なアニメ映画に用いられるような「まじで?」と思いたくなるような効果音を使うあたりは擁護のしようがない。

Filmarksで点数をつけるとき、1点と2点に大きな差をつけるようにしている。1点をつけるのは観客をバカにしている、余程許せない要素があるときなので、その点で言うと決して観客を下に見て、軽いノリでつけた効果音ではないのは伝わるし、原作厨に迎合しようとしたわけでもないのもわかる。

結構原作好きなので、原作よりしんみりはしつつ一線は越えない節度を持ってるあたりとか、小比類巻の存在感はむしろ原作よりもカッコ良かったように思う。

ただ、アニメ映画である必然はどこにもない以上、褒めることはできない。
動いたり、止まったりしちゃダメでしょ。映画は動いてなきゃ。
わに

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