たけお

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のたけおのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった!

前章の???がどんどん解消していきながらも、ゆるゆる感を忘れず、オンタンと門出の最強バディを爽快に楽しめた。

原作未読なので、全く先がわからず、色んなロジックが解き明かされていって、一瞬も目が離せないドキドキの展開だった。
侵略者がかつて地球にいた存在で、その地球を取り戻しに来たのか?
余剰の人員を間引くために騙して連れてきて、抹殺したかったのか?
侵略者の存在や、何のために地球に戻ってきたのかよくわからなかったのは物足りなかったが、
地球の女子高校生&大学生の視点で見ると、めちゃくちゃ面白かった。

前章の終盤で、オンタンと門出の立場が逆転し、オンタンは気の弱い女の子になり、門出はどんどんサイコ化していき、最後は自殺をはかる。
これが夢なのか、侵略者に見せられているフェイクなのか、本当の世界なのか…
???いっぱいだったのが、
オンタンが時空を超える?
理屈はよくわからなかったが、タイムスリップのようなことで、オンタンがもう一度10歳に戻って、門出を暴走させないために生き直す。
門出以上にぶっ飛んだ中二病になり、二人の関係が出来上がっていく。

何故そこまでする?と問われたオンタンが「門出は僕の絶対だから」に泣けた。
終盤に、門出も「門出にとって、オンタンは絶対だから」に再び泣いた。
この言葉に、この映画の全てが隠っているように感じた。
押し付けがましい友情ではなく、この二人だからこその友情の形がたまらなく好きだった。

こういう二人の関係って、一方(オンタン)が、いかれた中二病なら、もう一方(門出)はまともになりがちだが、後章は特に、門出のいかれっぷりが際立っていて、まともといかれのバランスが新鮮だった。

後章は、なにもしない侵略者に対して、ひどい殺戮をしていく日本人。
殺戮を進める政府や煽る日本人はもちろん変だが、
止めようとする日本人も変に描いているのが肝で、
こんな非常時に日常を送る、オンタン&門出たちが、一番まともに見えるのが素晴らしかった。
無関心ではないが、そこに没頭しないのが、よくあるSFアニメとの大きな違いで良さだと思う。
強いメッセージを必死に訴えるのではなく、何気ない歪んだ青春群像で見せていく面白さが素晴らしい。
最たるシーンは、宇宙船が地上に落下し、東京が壊滅する凄惨な映像に、でんぱ組.incの明るくゆるい曲がバックに流れるのには脱帽した。

ラストは、この先どうなるの?とか、
日本どころか東京だけという小さな世界に、地球の最大の脅威が降り注ぎ、解決するの?とか、
色々思うところはあるが、
そんなことはどうでもよく、
オンタンと門出の互いの絶対が全てであって、本当に気持ちの良い映画だった。

ゆるいエヴァンゲリオン万歳!
ゆるい中二病女子の青春群像劇万歳!
たけお

たけお