このレビューはネタバレを含みます
先入観を無くすためにあえて原作を読まないで行ったが、それが仇になってしまった。
前章はおんたんたちの和やかな日常にも「死」は容赦なく襲いかかってくる怖さがあり、後章には戦争は足音を立てずに突如始まる怖さを読み取った。
特に侵略者サイドの物語が進むときに地球人が外来語を話すという視点の切替は、被害者/加害者の境界線を壊す秀逸な表現だと感じた。仮面の隙間から人間と同じ顔をしているのがドアップで映ったときにはゾッとしたし、社会風刺は伝わってきたのだが、ラストが自分の中で消化しきれていない。
劇場オリジナルエンディングを謳いながら、「あとは漫画読んでね」という意志を感じる投げやりな終わりを迎えたのがね…
公開延期でハードルが上がっていたのもあるが、本作は読み取ろうと思えばいくつも解釈ができる作品だからこそ、作者側からの答えを示してほしかった。
ヒロシすき。
