moon

陪審員2番のmoonのレビュー・感想・評価

陪審員2番(2024年製作の映画)
4.1
ジャケ写にもある正義の女神が冒頭から登場していて、司法の象徴とされる彼女が最後ベンチで話す主人公と検事を上からみているシーンで正義について投げかけているように見えた。

実は今作をみるのは2回目で、1回目より2回目のほうが主人公の性格が分かるのもあって感情移入がしやすかったなぁと思うのと同時に彼の性格が生々しく描かれていて”あなたならどうしますか?”とリアルな世界で問われている気がしました。
彼みたいなタイプは絶対にこの先この重圧に耐えきれないと思うしなにをしても人生楽しめないと思う。
頭の片隅には自分の変わりになった彼がいて常に事件について考えてしまうと思うし、時間が経てば経つほどカミングアウトしづらくなる。
愛する人にチャンスをもらった立場である主人公は後がひけなくてこれ以上妻に、これから大きくなる子供に、落胆してほしくない、信用を失いたくない、と思うことで人生すべてから逃げることになってしまう。
自分の首を自分で締めている様子がひしひしと伝わってきてここまで重たい空気を画面越しに伝えられるのがすごいとおもった。
主人公の行動が全部怪しすぎて逆にバレてるでしょっておもうけど、、、🙄笑
ストーリーが進むにつれてこれ最後どうなるんだろうと思わされますが、あのラストは個人的には納得のいくラストでした。

評決のシーンは十二人の怒れる男を連想させるシーンがあって人が人を裁くのにどうしても感情は加入してしまうし平等に考えるのは難しいと感じました。
最後の最後で意見はまとまりますが、それまで頑なにわたしは票を変えないと言っていた人たちは現場をみてなにを思ったのか、なぜ有罪に変わったのか、そこをズームしてほしかった気がします🧐

検事さんは自分が正しいとまっとうしてきたけど違和感を感じたところから考えるより行動!と独自で調べていくシーンがよかったし彼女の性格を物語ってたとおもいます。
やんわりした答えからくっきり答えが浮かび上がっていく表情は目に印象のある彼女だからこその演技でした。
彼女は彼女なりに”自分が”納得する方法でできることからタスクを潰していった。
彼女はもう一度チャンスを与える立場から与えられる立場になるんだなと思いました。
”正義”や”神の名の下に”のスローガンに真摯に向き合おうと嘘のつかない真実を見出したんだとおもいます。

JKシモンズが途中離脱したのが悔し~~~🥲
クリント・イーストウッドの引退作と言われていますが劇場公開ではなくあえて配信なのが時代にあったみせ方をしているのかなぁとおもいました💭
劇場でもいいとおもうけど映画館でるときには重圧に耐えきれなくなって腰曲げてかえることになりそう。。。笑
ほんとに引退作なのかな~とこのストーリーを考えられる監督に尊敬のまなざし🥹✨️となりました。
moon

moon