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雪山の絆のAのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
4.4
1993年の『生きてこそ』は鑑賞済みだが、技術の進歩とカメラワークとバヨナ監督の腕で、過酷な環境がより生々しく再現され、克明に刻まれていた。
いっぱい朝ごはんを食べても、13時過ぎたらあれほどお腹が減るのに、彼らが耐えた飢えはどれほど辛かっただろう。シャビシャビの雪が降る中、半袖短パンでラグビーをして、チーム全員皆唇真っ青でガタガタ震えていたことがあるが、墜落した彼らが明かした夜の寒さはどれだけ辛かっただろう。激しい80分の試合終了を告げるホイッスルが響いた時、膝から崩れ落ちたことがあるが、彼らが乗り越えた72日間の痛みと苦しみはどれほど辛かっただろう。
絶望するほどに美しく過酷な景色に息をのみ、それでも生きることを諦めない強い意志にうち震え、そこに宿る神性を見た。
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