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苦悩のリストのyadokariのレビュー・感想・評価

苦悩のリスト(2023年製作の映画)
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トラウマ級のドキュメンタリーか。「子供たちは遊べない」と同時上映なのだが、アフガニスタンのアメリカ撤退の中で救出を望む人々の声が響く。なにより驚くのは、最初のシーンから飛行機に乗れない民衆が飛行機の外の羽根とかにしがみつくのだが飛行機が上がると振り落とされる映像が映っているのだ。

そうした混乱状態の中でアメリカ軍は何の役に立たない(人権意識が低いのだ)ばかりか、そうした人々に催涙弾を撃ち込み追い払おうとする。中には崖から突き落とす者もいたりしたりして、軍隊というのは国家の命令が絶対なわけだから撤退と言えば撤退なのだ。そんな状況下で救出する人のリストを作らねばならない。

表現の自由を求めていた芸術家たちが次々にタリバンの暴力にあう映像がでてくるのだが、片目をえぐられたミュージシャンとか、路上で鞭打たれるひとの映像とかがスマホ撮影されている。

また救出リストを作らなければならない代表の家族の切迫した映像とか凄まじい現実が映し出される(現実の『シンドラーのリスト』)その中で救出してくれそうな国と交渉するのだが、飛行機の前に行っても搭乗出来るかはわからない。そもそも全員の救出は出来ないのだ。

救出されなかった絶望の声もスマホからは聴こえる。勿論救出された人もいるのだが。
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