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RRのparaのレビュー・感想・評価

RR(2007年製作の映画)
4.5
情報と映像作家の視点を極限まで削ぎ落とすことで逆に際立つ作家性。
アメリカの物流と大地の110分 40数カット。

全カット中に線路を走るのは、1つ車、2つは多分旅客列車、他は全て貨物列車。姿として見える人間1名。
撮影時間も含めて計算され尽くした決まった構図の、フレームの外から現れてフレームの外に消えていく列車たち。
耳に入ってくるのは列車の音の他は環境音(鳥や動物含む)と時々ラジオ。

この貨物はどこから来て何処に運ばれるのか、また何を運輸しているのか、
この線路は1日にどのくらいの列車が通過しているのか、
針葉樹だから北部かな、この海岸線はどの辺りだろう、ここは中部かななどの場所の推測や北米の鉄道事情、等や
ドキュメンタリー映画とはなんぞやについてを、
説明がない映像だからこそ、想像し思考する時間が非常に楽しかった。

シュールな絵から切り替わるJBがすこぶるカッコ良い。
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