まぬままおま

ゆりに首ったけのまぬままおまのネタバレレビュー・内容・結末

ゆりに首ったけ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

くだらなすぎるけど100周回って納得して笑った。

本当にしょうもない。男たちが終始ゆりについて話すだけ。
あの可愛いゆりが結婚するなんて…よりによってお前かよ…実は俺、昔ゆりと付き合っててさ…なんで秘密にしてたんだ!…実は俺もゆりと付き合ってて…えっお前も…
こういう会話がずっと続く。何みせられてるの?ってなる。

けれどずっとみてられるのは、というか笑わざるを得なくなってしまうのは、キャストの息がぴったりで、物語もちゃんと緩急ついているから何ですよね…
緩急つけるための劇伴とかよく分からない選曲だし、彼らが打ち明けるタイミングのライティングはスポットライトでちゃんとコメディにやっている。じゃあ平常時のライティングもちゃんとやれよとか、タイトル出るのこのタイミング?とか、終盤のヒロのクロースアップ寄りすぎとか思うけど、このおふざけが最高に笑える。よく言えば実験精神で、もっとおふざけに振ってほしかったですね。

結局、ゆりは登場しないからここはちゃんとツッコミたい。けれどそのツッコミも想定の範囲で、続編制作の期待をもたせて機運を高めたいんだろうな…そんな浅ましさが透けてみえるが、それがセールスだしそういう点では周到なんです。

まあ、ゆりが登場しなくても物語が成立するのは綱島えりかさんという「ミューズ」が序盤に現れているからだ。だから続編は、綱島えりかさんがマルチバースに飛んで実はゆりでした、とかどうですか?そしてあの結ばれなかった3人がゆりと結婚する世界線が絡まり、ニコアルがサンコアル帝国の大魔王になったからぶっ倒すとか面白そうじゃないですか。そして最後は多様性の世界に投げ込まれて、男4人が結婚するとか。それを導くのがゆりの子どもだったりして。『エブ・エブ』だ…というか「ゆりと子どもを一切みせない」とか「ニコアル」とか脚本や設定が秀逸で伏線を散りばめているからそこまで考えられているのかも?
この邪推は完全におふざけですが、ヘンテコSFコメディだったら続編絶対みようと思います。