湯っ子

アメリカン・フィクションの湯っ子のレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.9
町山智浩さんのラジオでこの作品を知り、すぐに思い出したのがビリギャルだった。
ちゃんと読んではいないが、あの本の売り方にかすかな違和感があってちょっと調べたら、題名になっている事柄は嘘ではない。でもやっぱそうか、やっぱりなぁと納得した。
現在では、当のビリギャルだった女性とそのお母様までもが、世間の注目を自分の武器として、教育についての講義をしたりなんかしているらしい。やはり元来才能と行動力があり逞しい精神力をお持ちの方なのでしょう。これがギャルマインドってこと?(知らない)

閑話休題。大学教授であり小説家でもある黒人男性が、ギャングのふりをして小説を書く。そしてそれがベストセラーになり困惑するというお話。そこにホームドラマが品良く絡んでくる。
映画でこういう知的な黒人男性とその家族を描いた作品って珍しい。でも、“THIS IS US”はこのへんのテーマを2016年からやってる。この作品が日本では一般公開されないことも含めて、やはり映画よりもテレビドラマの方が価値観のアップデートは早いみたいだ。
程がよく皮肉で会話のセンスも良く楽しめたが、ラストがちょっと煮え切らないと感じた。
スパイク・リーの作品からはいつも怒りを感じるが、この作品からは困惑を感じる。
湯っ子

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