雨傘裕介

アメリカン・フィクションの雨傘裕介のレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.5
アカデミー賞に合わせて鑑賞。
あらすじを読んで勝手にドタバタコメディというか、Breaking Bad的な巻き込まれ系の話かと思いきや、わりと丁寧な家族と差別とを描く話だった。親の介護とか肉親の死とかね……実務的に重くのしかかるよね……という中で、口にしないまでもお金の問題やコンプレックスを抱えている中で、プライドと葛藤する様がとても人間らしくて好きな主人公。兄貴もなんだかんだ好きになってしまう。
ステレオタイプを嘲笑う作品のなかでも、主人公は比較的スノッブな生活で、どこかで俗っぽさを否定しているからこそ、偏見を捨てきれない自身をも否定していくことになるという仕組みは見事。恋人との関係がその表れとなっているのもオシャレである。
ラストもひねくれてていいですね。ぶっちゃけ裏切られた気持ちになっちゃったけど。
雨傘裕介

雨傘裕介