きくちよ

アメリカン・フィクションのきくちよのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.3
多様性を取り入れなきゃ!という風潮に、マイノリティの人たちがどう思っているのかを考えさせてくれる映画

審査員って5人中3人が白人、黒人が2人なんだよね。本当に多様性を取り入れるのならば、5人とも全部バラバラな人種にするべきじゃね?
誰を審査員を入れるのか決めるのも白人系の人
結局白人の人たちが作る世界の中で、その人たちがマイノリティの多様性を取り入れないと、と思っている

とりあえず黒人入れればいいやと思っていないだろうか?
モンクを審査員に勧誘している理由が『多様性を取り入れなければ』と言っていたが、言われている側がどう思うのだろうか
そう言われてモンクは審査員を断ろうとした

大学の講義で
『平等とは、黒人の権利を白人と同じようにすることなのか?それってそう思う時点で黒人に対する差別なのではないか』と言っていた教授の言葉を思い出した

今後アカデミー賞の審査対象を、一定数のマイノリティの人たちが関わった映画のみにするという、ナンセンスなニュースを思い出した
それを皮肉っている作品に思いました


・ステレオタイプの黒人の喋り方をしてくれと言われてからの喋り方
・映画プロデューサーとランチをしている時、母親を心配して外を見ていて、サイレンの音がしたらその場を走り去る。それを見て勘違いするプロデューサー
・本のタイトルを『FXXK』にしちゃう
上記のシーンは面白くて声を出して笑った
笑えるシーンだけでなく、家族の問題を取り入れて違和感ない内容にしちゃうこの作品はとてもすごいなと思いました。

ただ、アフリカ系アメリカ人のステレオタイプの喋り方やアメリカの人種問題など、よくわかっていないとこの映画の面白さを理解できないのかなと思いました。アメリカという国の背景を知らない人が多い日本ではヒットしないんだろうなと思い少し悲しくなった

少しでもこのような作品を楽しめる日本人が増えますように


と書いてますが、私はシュワちゃんやスタローンが活躍しているバリバリの白人映画が大好きです。今後もそういう人たちが活躍する映画が見たい!

マイノリティの人たちにも活躍の場を増やさないと!評価しないと!という人たちが増えているけど、本当に実力のある白人たちが評価されなくなってしまうのではないかと危惧してしまう

5/2024
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