このレビューはネタバレを含みます
『クソな世界にはクソを。』
皮肉めいたこの現状に、クソがクソがと吐き捨てながら描いた本がバカ売れ。
マザファカーな黒人の自伝本。
題名はクソ。(あまりに直接的)
結末も当然のことながら、主人公にとってはクソみたいで。
あー。
どっちが塗り固められた思考持ちなのか。
世界か?自分か。
自分の主観ばかりが正しく、ステレオな考え方は見ずに一蹴する。
彼の黒人としての部分で生きづらいのではなく、彼自身が生きづらい要因なのは言うまでもない。それを上手く本作では絡めてる。多分あちらだとそれがわかりやすいんだ。なんでも絡めりゃ意識してくれるから。
途中の、(省略してます)
”それ、何がいいんだ?”
”なんでその作品はここに”
“この本はここではない”
“その本は読んでないんだけどね”
この展開はアツかった。
お前もー!といった感じで。
他にもあるけど、言葉がグッとくるものばかり。セリフ量そんなないのに、なんかそれ以上の質量が乗っかってる感じ。
脚色賞当たり前でした。凄い。
ずっと男のことをつらつらと綴っていますが、題名はアメリカンフィクション。
風刺が効いた作品です。