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異人たちのsonozyのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.0
山田太一の1987年発表の小説『異人たちとの夏』(未読です)をベースに新たな物語に生まれ変わったアンドリュー・ヘイ監督作。

ロンドンのタワーマンションの27階にひとり孤独に暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)はある日、同じマンションの6階に住む酔っぱらったハリー(ポール・メスカル)に出会う。どういうことか、マンションにはこの2人しか住んでないようだ。

「屋外 郊外の家 1987年..」と1行目を書き始めたアダムは、導かれるように、今は空き家となっているはずの幼少期に暮らしていた家を訪ねる。すると...

互いにゲイであるハリーとの深まる関係。
ハリーとの出会いを機に動き出す、アダムの過去への旅、心の痛み。
12歳の時に突然交通事故で亡くした両親への深い喪失感。
ゲイとしての苦悩...
そしてハリーも、アダムの両親も、それぞれに。。
原題『All of Us Strangers』と、後半からラストの展開が沁みます。

幼少期のクィアな感情、ラストソングのFrankie Goes To Hollywoodの「The Power of Love」♪など、監督の心理が投影されているようです。
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