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異人たちのSSのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

どっからどこまでが現実か境界線が分からなさすぎて、夢見てるみたいな映画だった。
全体通してフェードイン/アウトがすごく特徴的で、夢物語のような雰囲気を増幅させてる感。
特にオープニングの窓に映る街→アンドリュー→日差し のシークエンスは私の中の私がどよめくほど好みの映像だった。
あとは光もすごく印象的に使われてる。
家族のシーンが基本光に満ちてる感じなの、ベタだけどよかったなあ。

設定がまた面白いよなあ。
両親は死んだことも、目の前にいる我が子が自分たちよりも歳取ってることも、今この時代が自分が生きてた時代じゃないことも分かった上で、アダムを受け入れてるんだもんな。
白髪混じりのあの年齢でも、死んだ両親の前ではキッズパジャマ着ちゃうし、甘えるし、子供にしか見えない演技するアンドリューがほんとにすごい。

親が私を産んだ時の年齢を超えてから、親を「親」じゃなくて「1人の人間」として同じ目線で考えられるようになって、親も完璧じゃない、未熟な1人の人間にすぎないっていうのが分かるようになるよねえ。
アダムの両親もそんな感じで、未熟さが残って、人間らしくてよかった。それでも愛情は深くて、なんか、これが子供に対する親の感情なのかあ。とか思った。
ああいう親子もの弱いんよな。ぐずぐず泣いちゃった。

一方でハリーとの関係は、親からの愛情を受けることで誰かを愛せるようになったという象徴として必要だったんだろうとは思うものの、果たしてハリーが死んでる必要があったのか?というのはちょっと謎だったな。
あと最後の終わり方も、んん?となった。
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