カカオ

華岡青洲の妻のカカオのレビュー・感想・評価

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)
3.2
初の全身麻酔による乳がん摘出手術を行なった華岡青洲。彼の功績と家族が支えた実話の物語。










やはり市川雷蔵と若尾文子の2人が良い。

若尾文子はとても良かった。
タイトルのとおり、妻の方が主役だ。

その一方で、パッと見、市川雷蔵は本人には見えなかった。いつもよりも眉毛が太いか。でも声は間違えなく市川雷蔵。徐々に見慣れてくるとやっぱり市川雷蔵でした。





そして高峰秀子、
圧倒的な存在感。優しさと威圧感。


伊藤雄之助も良かった。
下品な笑い方で変わったオジサンですが、ちゃんとしたお医者さん。










麻酔薬の試行のためとは言え、ネコの辛い姿の場面が多い。ネコ好きには本当に酷な作品だ。


近所からもネコの不審な死を見て、妙な噂が飛び交う場面があった。同じ状況が近所で起これば私もそのように思うかもしれない。しかしながら動物実験のおかげで今日の医療が成り立っていることを理解する。



ポール・マッカートニーは熱心に動物実験の反対を訴えていたが、妻の病気の治療薬が動物実験を経て実用化された事実を知ると容認する考えに見直したという話もある。当事者にならないとわからないこともある。人間の勝手な考えかもしれないが、救いたい命を考えた時に必要なステップだったことと信じたい。
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