ヒノモト

サンクスギビングのヒノモトのレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
3.6
クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲス「グラインドハウス」B級ホラー2本立ての幕間に流れたフェイク予告編『感謝祭』をが長編映画化、イーライ・ロス監督作品。

感謝祭で起きた事件の1年後、その事件に恨みを持ったものが街の人たちを次々と襲い始める。事件のあった店舗の経営者の娘であるジェシカとその友人たちは、ジョン・カーヴァーを名乗る謎の人物のインスタグラム投稿に自分たちがタグ付けされたことに気づき、その投稿に自分たちのネームプレートを見つけ、犯人捜しをしていくお話。

当時のカットをそのまま再現した上で、倫理観の壊れたB級気味のホラー作品に仕上がっていること自体はすごいことなんですが、R-18+作品でありながら、思ったほど残酷さ、非道さ、グロテスクさを感じなかったのが正直なところでした。

今作のR-18+の理由は、殺人鬼が殺害または誘拐したその肉を料理することが、恐怖よりも滑稽に見えてしまうのが、フィクションさに拍車をかけているせいで、ホラー表現を楽しむ映画になっているといえます。

ただ、オープニングの事件の発端となった大型スーパーでの大惨事のシーンだけは、人間の欲望や非道さが出ていて、大変良かったです。

そもそもB級ホラーを狙って制作されているため、多くを求めすぎるのは違うようなきもしますが、殺人鬼(犯人)の理由付けをきちっとつけるよりも、もっと無軌道で理不尽な「ホステル」のような残酷さがあったほうが、よかったように感じました。
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