ヨダセアSeaYoda

エイリアン3のヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

エイリアン3(1992年製作の映画)
3.2
"私は死にたいのよ"
"奴を殺してからだ。お前はまだ死なせん"

【STORY】
 救出されたリプリーを預かった地下監獄を舞台に、再びエイリアンの脅威が描かれる。リプリーは前代未聞の危機的状況に陥るが…?


【一言まとめ】
●シリーズ的には微妙
●フィンチャーらしさはたっぷり
●どことなくマッドマックス感
●撮影への気合が印象的


【感想】
 zoom感想会のフィンチャー特集に向けて、1,2作目と共に鑑賞❗️
 『セブン』よりも前にフィンチャー監督が撮った、長編処女作ですね。

 前作もクソもない冷酷な始まり方でスタートする今作。シリーズの文脈で観ると "微妙" というほかない気はします。
 設定は踏襲しているものの宇宙SFらしさは完全に損なわれてしまい、ただのモンスターパニック映画となってしまっているので、世界観はかなり崩壊しています。
 
 代わりにフィンチャー監督らしさはガッツリ出ています。全体的に仄暗く諦観的な人間ドラマが軸にあるのがまさにフィンチャー作品って感じがしますよね。
 無個性的ながら愉快な荒くれ者達の軽口なんかは『ファイト・クラブ』や『パニック・ルーム』を想起させますし、髪をガッツリ刈り上げたシガニーの姿は『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベットのようです。

 作品の雰囲気はエイリアンというより『マッドマックス』シリーズっぽい感じがします(特にサンダードーム)。
 支配者からしたらゴミ同然の人々が地下で頑張るお話ですしね。


 撮影への気合は物凄く感じます。
 エイリアン視点で天井を駆けるカメラワークが大好き❗️地下通路の配線をじっくり見せたりするのは、他のフィンチャー映画のオープニングみたいでドキドキしますね。


 最後は "あの超有名映画" に似過ぎていてちょっと感情移入しづらいです。笑

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観た回数:2回
直近の鑑賞:U-NEXT(20.09.06)
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