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バーン・クルア 凶愛の家のmatchypotterのレビュー・感想・評価

バーン・クルア 凶愛の家(2023年製作の映画)
3.6
少し前に公開してたタイホラー『フンパヨン 呪物に隠れた闇』と同じ配給会社。
同じくタイの“呪い”系のサスペンスホラー。

タイで公開された時は『スーパーマリオブラザーズ』『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を押しのけて3週連続No.1だったらしい。

日本で言うと『変な家』とかそういうオカルトホラー系のスマッシュヒット的な作品。
ラーメンならぬ、“家系ホラー”と呼ばれている作品でこの監督はタイではその“家系ホラー”の巨匠と呼ばれているらしい。

オカルト要素を背景にした母の強き娘を守る戦いを描く。

3人家族が経済的な理由で家を他人に貸すことにする。
最初は母親の方が乗り気で父親は「貸したくない」としぶっていたが、相手を招いた途端に父親は二つ返事で貸す。

それから、その家に忘れ物をとりにきた母親が貸した相手に不穏な空気を感じ取り、調査に乗り出すと不可解な点が。

それと同時に父親も不可解な行動をし始める。
謎の行動、謎の本、そして、いつの間にか胸に三角の何かのマークらしいタトゥ、、、。

貸した家の仲良しのお隣さんからも貸した家から何やら怪しげな呪文の声や儀式の様子が。
どうやら、その相手の手引きで父親はその怪しげな宗教に入信してしまったようで、いよいよその“力”がこの家族に牙を剥き始める、、、。

日本や韓国でも比較的王道なオカルト“呪術”系のホラー。
“家系”だけど、もともとの家の曰くや土地に根付いた呪いとかではなく、家を貸した相手が、“とある父親の過去の出来事”を言い当て、寝た子を起こすような物語。

これを前半は母親目線で描き、父親含めて今までの日常が壊れていく様を描き、中盤で同じ時系列で父親目線の“とある過去の出来事”に囚われて“呪い”の沼にハマっていってしまう面を描く。

同じシーンを両者の目線で両面の行動や心理を別々に描いている点はとても興味深く観れた。

びっくり箱的なシーンもあるにはあるけど、見た目や瞬発力でビビらせようとする安っぽい作品でもなくて、しっかり家族の様子や、ジトジトしたタイらしい気味の悪さがちゃんとある。

今はもういない人に会える、とか、この明らかに怪しげな儀式とか、サングラスかけた胡散臭い片目が見えない“母親”と名乗るおばちゃんとか。

そんな人がそんなことでそんなことができるなんて言ってくるなんて、怪し過ぎることこの上ない。

それでも“何か”を信じて藁にもすがる思いで頼ってしまう人間の心の弱さ、それに付け入る“呪い”の力、そして、全てを知る頃にはもう後戻りができない絶望感。

娘がその渦に巻き込まれてしまう様相になってしまい、自分で蒔いた種とはいえ、それに気付いて立ち向かう父親と、得体の知れない恐怖や人が相手でも何が何でも娘を守らんとする母親の姿勢。

“呪い”とその狙いが勝つか、家族の“愛”がそれに屈せず守れるか。

アジアンホラー特有のおどろおどろしさとオリエンタルでミステリアスで説明できないけど確実に存在する恐怖とのかなり壮絶な攻防戦になっていて、パンチ力があった。

最終的な結末もなかなか、、、これは。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
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