あしからず

アタラント号のあしからずのレビュー・感想・評価

アタラント号(1934年製作の映画)
4.2
水の中にみえる愛。猫もとい犬も食わぬ新婚夫婦のかけ違いをこうも感覚的に瑞々しく撮れるジャン・ヴィゴは本当に早逝の天才だったんだな。過酷な経歴と病の苦を感じさせないこの幸福感はどうして出せるのか。
船は始まりの象徴で水と愛のイメージは重なり合いカットバックで精神の契りも結ばれる。繊細ながら大胆。
水夫なミシェル・シモンのプリミティブさはやはりギリシャ神話の神のそれ。親友の手を保存する原始的な愛。「猫の方が人間よりずっとマシ」
ゴダールやシャブロルにジャン・ヴィゴ賞贈られるのがよく分かった。

※猫の首をつかむ描写おおいけど成猫の首を掴んで持ち上げるのはダメ絶対
あしからず

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