くさむすび

若き見知らぬ者たちのくさむすびのレビュー・感想・評価

若き見知らぬ者たち(2024年製作の映画)
1.5
この映画が好きな人には申し訳ないけど、役者の演技以外に良いと思った所が思い浮かばなかった。
若者ケアラー(最初ヤングケアラーとこの感想で書いてたけど、調べてみたら18歳までをヤングケアラーというみたい)や、各地で勃発している警察による不祥事や隠蔽体質など今の日本を考えなければならない上で目を向けなければならない問題についてしっかりと向き合っているのは良いと思う。でも全体を振り返った時に浮かぶ感想はあまりにも中途半端。打たなければならない手は全て打った、それでもどうすることもできない無力感や諦めなら理解の余地はあるけど、あの事件に対して考えても「店のセキュリティ対策は?防犯カメラはチェックしないんですか?」とか「大和は散らかった床を見て何も思わなかったの?」と、もう少しやりようがあったように見えるから、確かにあの輩や神奈川県警はクソだけど、その方向に捉えることを妨げる稚拙な描写が多かったな。最後の滝藤賢一の描写なんかも「警察にも良心はあるんだ」と開き直っているように見える(内山監督は良い人なんだろう)。
描写のバランスもちぐはぐで、終盤で壮平の試合シーンに長い時間を割いていたが、それまで壮平の描写に時間が割かれてないから映画の中で明らかに浮いている。「俺何見てんの?」と我に帰る瞬間だった。
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