まみ

Hereのまみのレビュー・感想・評価

Here(2023年製作の映画)
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多分年間ベストに入るし人生ベストにも食い込むと思う、ヤバい
人と接する以前の段階にある、わたしの魂を覆っている根源的な疲れについて。それは殻のようであり、鉛のようである。男はいろんな人とすれ違ってゆく。わたしと他者が作り上げていく時間もわたしの一部であるはずなのに、色んな人の元に散らばって積もってゆくから、時間が経てば経つほど取り戻せない。わたしの身体の中は心許なさでいっぱいである。わたしを引き裂いていくとも思う。
苔は過去もこれからもずっとそこに根差し続ける。照らす陽の光によって万華鏡みたいに姿を変えるけれど、それを黙って受け入れている。そこは自分の家なのかという不安を持つことなく、家を作れる。

▼やばいショット
夜窓越しに眠る男を映すショット、窓が分厚いからかその寝姿の輪郭がぼやけていて、窓に映る電車が男の像に重なる(良すぎてキレてた)

▼やばい繋ぎ
夜の散歩。男が茂みで何かを見つけて手を開くと緑の光が漏れ出す、それが何かわからないまま昼間の森のカットに繋がっていく。大夢幻!
まみ

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