中盤まで物語は特に起伏も無くゆったりと進むので、もしかして外した？と思った。配信等で家で観ていたら投げ出した可能性も。でも観て良かった。何だか心が温かくなった。
ブリュッセルに住むルーマニア移民の男性シュテファンは、以前レストランで会った事のある蘚苔学者の女性シュシュとたまたま森で遭遇する。丹念に苔を調べる彼女に同行する内に、彼も苔の世界に惹かれていく。そして2人の心に変化が……というストーリー。ドラマチックな展開は全くと言って無いが、普段目に止めることも無い苔の美しさと、静けさの中に響き渡る森の息遣い、といった透明感のある映像にいつの間にか引き込まれていた。
エンディングは唐突感があるが、何とも粋だと感じた。観る者に想像を委ね余韻を残す形が好きだ。
