すたどんまん

Hereのすたどんまんのネタバレレビュー・内容・結末

Here(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

とてもいい映画だった。

序盤、奥行きの中の人工的な直線はあまりにも美しく、それと対比されるように緑は蠢く。顕微鏡は自然を幾何学的な線で切り取る不自然な装置であり、映画にも同じことが言える。近代建築をフレームが切り取る静けさと、揺れる植物をフレームが切り取るアンバランスさが、違う形でどちらもずっと美しく、全く飽きない。そして数ショットだけ映される夜の植物のシーン、暗くなり、正方形に近かったはずのフレームがなくなったかのようで、輪郭が曖昧になって、人間が生き物に還ったのかと思った。

夢、現実、わたしの輪郭、生殖