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バティモン5 望まれざる者のandardのレビュー・感想・評価

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)
3.6
パリ郊外の主にアフリカ系の移民が暮らす団地で起きる住人と行政の衝突。

前作のレ・ミゼラブルと似た舞台で、今度は住民と市長を中心に語られる。
フランスの一つの社会問題を知る上で学びがある。
トークショーによると、映画の中で起きるぎょっとするような出来事も実際に起きたことらしく、恐ろしい。
この国から移民は政治的に利用できるからよくて、この移民は役に立たないから排除する、というのは、「人間の境界」にも出てきた。(シリア人の立場が逆転している、父役の人は「人間の境界」にも移民として出ている)

話はいいけど、映画としてそんなに好みではない。
多用されるドローンの映像に食傷気味。
前作ではドローン自体に意味があったけど、今回はそれも無いのでより気になる。
また音楽もそれ自体は良いけど、使い方が「はい、今登場人物の感情が動きましたよ〜」の合図のように使われるのが、あまり良い気がしなかった。

しかし、市長の権限が異様に広いことに驚く。そのくせ、簡単に市長室に入れるし、自宅は警護もなく場所もバレてて、そりゃそんなことも起きるだろ、と思った。
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