イギリス版のオスカー・シンドラーという位置づけになる、ニコラス・ウィントンの伝記ドラマ。
老年時代をアンソニー・ホプキンスが演じており、ナチスの時代の過去を回想していく構成。
そのナチスの脅威が迫る中で、チェコのプラハで出会った子供たちを救うべく奮闘する。
なぜそのような英雄的行為をしたニコラスが、現在では精気の抜けたような状態でいるのかが明かされていく。
シンドラーもそうだったが、すべての難民を助けることなど不可能である。
だがそこに折り合いをつけることが出来ない。
助けた人物より、救えなかった人間の方に思いを馳せてしまう。
ラストにニコラスに訪れるサプライズだが、これは実際あった出来事。
少し前に「関心領域」があったが、ここで救えなかった人々が壁の向こう側にいることを考えると心苦しいものがある。