【再考「オーランドー」】 ここ最近、作家や哲学者が思索表現の手法として「映画」を取る例が増えているように思える。今回、MUBIにて鑑賞した『Orlando, My Political Biography』は哲学者のポール・B・プレシアドが制作した作品である。ポール・B・プレシアドといえば、トランスジェンダー活動家として知られており、「カウンターセックス宣言」や「あなたがたに話す私はモンスター」などといった著書が日本でも翻訳販売されている。そんなポール・BGM・プレシアドがジェンダー論の中で重要な小説とされているヴァージニア・ウルフの「オーランドー」の物語を映像化する過程を捉えた。メタ的な演出を通じて「オーランドー」を再考していく物語となっている。これが想像以上に視覚表現にこだわっていて良かった。