Jun

勝手にしやがれのJunのレビュー・感想・評価

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)
4.0
イメージを先行して提示された映像劇の全てが、最後に語られる不条理な死をフィルムに定着させる為の材料の一つ一つに過ぎないように見受けられる。フィルム・ノワールよろしく描かれた女性の裏切りと男性の死。ジーン・セバーグ演じるパトリシアが自由を求めたように、従来の伝統的編集技法から解き放たれた脈絡を欠いた映像の繋ぎ「ジャンプ・カット」がフィルムに漂う虚無感を肯定していると捉えると、これまでの映画にはない革新的な視点に気付かされる。映画の表現を模索する上でやはり外せない作品だ。
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