マルチにハマるちょいスピママ
茶畑、山に囲まれた自然と暮らす世界遺産・西湖を舞台にその鮮烈な緑の美しさに息を呑む前半パート。しかし、急激にトーンが移り変わり、洗脳されマルチにハマってしまう。
マルチのパートの常軌を逸したテンションの非常に露悪的な感じが前半の静けさとの落差を存分に感じさせ、強欲に負けた人々の惨めな姿を映し出す容赦なさがスコセッシ映画のようだった。
すべてを失い、お茶の世界に戻った後の神秘的な美しさが東洋的なある種のスピリチュアルな画面構築を再び取り戻しており、感動的。スピリチュアル、というとまた人間の愚かな搾取のビジネスとリンクしてしまいそうではあるが、そういうものとは全く違った自然の包容力を感じられる映像だった。