2年ぶりに参加した東京国際映画祭。最っ高の掘り出し物的作品に出会えて嬉しい。
柔道世界選手権において、イラン選手とイスラエル選手の決勝対決を避けるため、あらゆる強硬手段を使って棄権を迫るイラン政府。
こともあろうに試合の真っ最中に工作員を派遣、脅迫のために家族を拉致する横暴っぷりもそうだけど、逆らった時点で人権と自由を奪われ、国を追われることが確定しているイランではやはり亡命者が後を立たないそう。
金メダルのために全てを賭けた大事な試合中に、人生で最も大きな決断を迫られるプレッシャーと緊張感が、モノクロの映像も相まってこっちにも伝わって、全くダレずに観れた。
上映後のトークショーでプロデューサーが話していた、映像がモノクロである理由、「イランでは白か黒しか選択肢がない、おとなしく棄権するか、逆らって人生を棒に振るか、どちらかしか選べないことのメタファー」は感想書いてる今も刺さってる。
撮影も全て秘密裏に進められ、イランでは当然ながら上映不可。完成したこと自体が一つのミラクルだと語るこの作品、日本では配給がまだ決まってないので公開未定だけど、来年あたり全国のスクリーンで観れるようになってるといいな。
