今まで金子修介監督の映画をいくつ見ただろう。何度も、女の子の可愛さを描ききる金子修介の才能にやられた思いをした。苗を丁寧に取り出して鉢植えにするかのごとく、彼は女の子が女になるその手前の瞬間を、映画のヒロインでやってみせる。
今回は、今回の鉢植えは星乃あんな。彼女はきっと、深津絵里や佐伯日菜子や藤谷文子が通ってきた道の入り口を、金子修介によって開かれるんだろうと思う。なお彼女については既往の金子修介ヒロインにとどまらず、東映のプログラムピクチャの香りがした。これはこの映画を見た人ならわかるだろうと思う。
一流のサスペンスである。映画では筋がいちばん気になる私としては、どうしてもサスペンスの鑑賞中、あらを探してしまうのだけど、腹落ちしないところを一つも見つけられることができないほど、脚本ができていた。２時間超の作品だが、まったく飽きさせなかった。
もともと中国がどこかの小説を沖縄を舞台にして製作したらしい。
ところでウチナンチュが沖縄の言葉を操らないのは、なんの思惑があってことだろう。この一点、別に映画を損ねるものではないが、気になった。
