江里さんは障碍者である。
寝たきりの生活を送っている。その上、胃ろうで栄養を取り、のどを開いて空気を医療機器で送っている。
その母親が語る。こんなことまでして生きる価値があるのかと。もちろんその母親>>続きを読む
語りたくなる映画である。
映画の主軸のストーリーは、長く疎遠だった父(藤竜也)の認知症が進み施設に入ることになり、森山未來が演ずる役者を生業にする主人公が、面会、父宅の整理のため、東京から九州の地方>>続きを読む
娯楽映画の王道。
題材が災害である上に、物語冒頭での乗り越えるべき相手との遭遇、その相手への敗北、転機、そして乗り越えるべき相手に再見して克己と栄光。ギリシャ悲喜劇以来のこのフォーマットにカパっと嵌>>続きを読む
いつかは当たる八卦と試写会。
東洋経済の試写会に応募し続けて、なんとこの作品が当たりました。
圧巻の2時間半。たっぷりのサスペンスで喉からからにもかわらず、最後の1時間は水を飲むのも忘れる。
シ>>続きを読む
私が今まで見たフィルム・ノワールの全てが詰まっていた。
にも関わらず、どのフィルム・ノワールにも類することができない孤高の存在になりえている。
独裁政権下の中華民国(台湾)。核心的な社会主義者、「冤罪」による思想犯らが台湾本島から離れた緑島に送られ、転向を求められた。当時の政府からの弾圧は凄惨というしかなかった。
映画では若き女、男の緑島で>>続きを読む
2週続けて、エンターテイメント大作を見る。
誰もが一度は聞いたことのある「アポロ計画の月面着陸って、あれ、地球上で撮影された偽物なんだってよ」という噂を盾に取り、米国政府がやらかしてしまったかもとい>>続きを読む
江口のりこ、またまた泣かす。つい最近、あまロックという喜劇で泣かせてくれたばかりなのに。立て続けかよ。コメディアン、コメディエンヌというのは、面白い冗談で沸かす人たちだけの称号ではではないのだな。真顔>>続きを読む
「密輸 1970」底抜けの開放感。
この監督の前作「モガディシュ」の突き抜け度合いが素晴らしく、さてさて今作は、と挑んだが、今回も期待を裏切らず。
映画の歴史始まって以来いくつのカーチェイスが登場し>>続きを読む
こんなにひどい脚本が書けるのかと驚いた。
なにせ冒頭から、青少年が教室で教師と同級生を前に「だって僕、勃たないんです」と告白である。青年にとっては切羽詰まった状況の中とはいえ、そんなセリフを吐けるも>>続きを読む
パラサイト、マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~のイ・ソンギュンの遺作になるのかなあ。
あのバリトンボイスがもうこれ以上聞かれないのは寂しい。
観る側の深層心理に訴えかけ、じわじわと肝を潰してい>>続きを読む
ウーマンラッシュアワーの村本主演のドキュメンタリー映画。
冒頭に I am a comedianとタイトルが映し出されるが、その提示にある仕掛けが施してある。その仕掛けに私はこの映画、只者ではないと>>続きを読む
同僚からも生徒からも嫌われている教師、我が子を戦争で亡くした給食室のマネージャー、そして親に帰省を断られた問題児、その3人がクリスマス休暇に居残ることになったという設定を思いついた時点で、脚本家は小躍>>続きを読む
最近思うことは、最もしんどい人たちはその存在が可視化されにくいということだ。
例えば、主婦を含む女性が家庭内の介護にいまだ従事せざるをえず大変なのは構造化されてよく知られているところである。しかし有職>>続きを読む
スジがいい。映画の冒頭10分で、主たる登場人物とそれら人物間の関係性が端的に語られる。この手の映画は話が進むうちに誰が誰なのか掴みかねてしまうこともあるが、始まり10分で示される見取り図で人物相関図が>>続きを読む
湿度の高そうな空気に纏われた街角、ランニングシャツの人々。いかにも台湾映画で、かつての名画の断片をあちこちに見ることができるのだけど、ごめんなさい、途中で高校受験への挑戦に心乱れる若い男女は何者だった>>続きを読む
環境運動家が「テロ」の仕方を教えます。そういう内容。もちろん、テロと言うのは体制側から観た蔑称のときが多いわけで使いかたに留意する必要があるが、石油による温暖化の石油会社の責任を世に問うためパイプライ>>続きを読む
加藤和彦ファン以外は見るなと言わんばかりの不親切な構成。
それでもいいじゃないか。
「あの素晴らしい愛をもう一度」が今もこの世界に、そして私の肚の中で生き続けているんだということを確認できただけで>>続きを読む
もしかしてこの映画はスポーツ映画の一つのスタイルを築いたのではないだろうか。プレイヤーのフルショットにジリジリ寄っていくカメラワーク。漫画のコマ割りのような細かすぎるカット。試合の休憩時などに挟み込ま>>続きを読む
ソル・ギョング主演。
少年三人が過去、強盗殺人事件を起こしたとされて服役していた。このことを、ソル・ギョングが扮する「狂犬」と呼ばれた刑事が真相を追うというもの。
実際にあった事件をベースにしている。>>続きを読む
老人ハロルド・フライがある日突然、遠方から旧友の死期の知らせをその友人自身から手紙で聞く。ハロルドは800km先でホスピスでその時を待つ旧友のところに歩いて旅立つというあらすじと、この柔らかい響きの邦>>続きを読む
母を交通事故に亡くして、突然、顔を知らない母の妹、叔母と同居することになった思春期の少女の話。彼女の周囲のその叔母、叔母の友人、同級生との交わり、同級生の背後を描く。
周囲の人間を書き込むことで、主人>>続きを読む
また来た北欧発、心理サスペンス。ただただこんなストーリーをよく思いついて、また血を使わずなぜここまで見ている側に恐怖心を与えるのかと感心もする。
ストーリーは某所で知り合ったオランダ人家族の田舎の邸>>続きを読む
前半は楽しんだ。厳密に書けば最初はこれ面白いのかと訝って見ていて見ているうちに引き込まれた。そもそも私はいわいるアニメ声というのが苦手である。生理的に受け付けない。生理的な反応を映画評に入れてはいけな>>続きを読む
多分、私があと5歳、若かったらもっと楽しめたのだと思う。しかし落ちぬテンションに私の体が負けた。緩急の急だけでは疲れる。まあこれをずっと見られる人はそれだけ元気ということだ。
かって映画が一番の娯楽だった時、劇中流れる歌ににつられ、スターの流す涙に共振し、隣にいる見ず知らずの客と笑い劇場を揺らした。
時は過ぎて、娯楽の中心はテレビにそしていまや個々人が狭い画面の動画をなが>>続きを読む
異国の話であったり、遠い昔の話である場合にも、その話に共感できるためには話に普遍性がないといけない。西欧の方々が東京物語や七人の侍を見て賞賛を送るのも、見る西洋人の方に、彼らの生きる舞台とまるで違う世>>続きを読む
人はあまりにも衝撃的なことに出会うとその様を、「色を失う」という。この映画は色を失った夫婦の物語である。
娘が行方不明になった。まだ小さな小さな女の子である。育児を一生懸命やっていたと自覚している母>>続きを読む
チャンバラという名のアクション映画は制約が多い。アクションとはこれスピードのことだが、時代劇ではせいぜい剣戟と乗馬ぐらいしかそれを見せるものはない。ミッションインポシブルを考えれば、飛行機からの滑空、>>続きを読む
試写会にて鑑賞。
そこらあたりのスプラッター映画より後味が悪い。
現実に起こっていたと言うことを、頭にいれるとなおさらである。
犠牲者の惨めな生活状態残酷な処刑シーンをほぼほぼ描かずナチスの蛮行>>続きを読む
時代劇の真髄を観た。
大道具、小道具、照明、衣装
・・・、プロの仕事が次々と。特に、松竹の照明部の仕事かな。陰影がバシッと決まった絵に身悶えする。
日本映画が始まって代々受け継がれたそれらの仕事をあ>>続きを読む
丁寧な作りの青春、恋愛映画。
藤井監督らしく、印象的な絵作りがただでさえ情感豊かなストーリーに彩りを添える。
過去と未来を行き来しつつも、困惑せずに見られるのは、よくシナリオが練られているからであろう>>続きを読む
自分自身の不明を恥じるのだが、シリア、アフガニスタンからのといった難民を、ベラルーシ、ポーランドの国境で、サッカーボールごとく送り合いしていたらしい。ベラルーシはともかく、一応、西側に属しEUのメンバ>>続きを読む
元は高校演劇の戯曲なのか。だから、演劇の観客視点で、多くのシーンがロングショットで綴られる。ロングショットでの描写は役者の細かな顔の演技は封じられるので、役者は全身の演技と自ずからなるが、舞台がプール>>続きを読む
話がアホすぎて
見ているこちらの頭が破裂しそうになった。
ゴジラ-1.0の何倍もお金をかけてこんな壮大なおバカ映画を作られるアメリカ人はある意味、すごいと思う
オードリー・ヘプバーン主演。
オードリーはホリーという名前の娼婦である。映画中はっきりと示されるわけではないがそのとおりである。お金に執着した生き方をしている。なにがなによりお金というほどではないが>>続きを読む