みちゃまる

ありふれた教室のみちゃまるのネタバレレビュー・内容・結末

ありふれた教室(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ものすごくエネルギーを要する作品だった…。
怪しい人物の描き方が絶妙で、皆怪しく見えてくる。見ているこちらも過呼吸になりそうなくらい追い詰められていく。
初動の重要性を感じる。職場にカーラを気にかけてくれていた人もいたので、相談していれば…。1つの証拠で断定せず、もう少し証拠集めをしてから動いていれば…。ここは動画だけで犯人を断定してしまった校長も悪い。中には犯人探しを面白がっているような教師もいた。
保護者の言うことも本当かどうかは分からない。アリの家族はドイツ語以外で話していたし、何が語られていたのかは字幕もないため分からない。こういった場面はこの間鑑賞した『胸騒ぎ』でもあった。母国語が異なる相手では、都合の悪いことは母国語で話せば相手には伝わらない。これは多民族国家ならではだと思う。
学校だけではなく、社会のどの集団でも起こり得る話。犯人は結局明かされないので、この作品が伝えたいことは事実の証明が目的なのではなく、各々の主張を通して、あの時どうすればよかったのか?と問いかけられている気がした。
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