ShinMakita

ありふれた教室のShinMakitaのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.3
☆Filmarks基準スコア:3.5


新学期に赴任し六年生を受け持つことになった教師カーラ・ノヴァクは、熱心な指導で生徒たちの評判も上々、彼女自身も子供たちとのコミュニケーションは良好だと感じていた。いま校内では、金銭の盗難事件が多発し、校長以下教師たちは頭を抱えている。早期解決のためと古参教師リーベンベルダたちは学級委員らを個別に呼び出し「怪しい生徒はいないか」と尋問まがいの行為に及んでいた。そんな同僚たちのやり方に疑問を抱いていたカーラは、ある教師が職員室のコーヒーメイカーに置かれた貯金箱からカネをチョロまかす現場を目撃してしまう。犯人は生徒では無いかも…と考えたカーラは、体育の授業中にあえて財布を職員室に置き、PCのカメラをオンにして席を立った。その結果、財布からカネが抜かれる現場が録画されており、犯人の服がしっかりと映り込んでいた。この服を着ているのは、職員室と隣接する事務室で働く女性職員クーンである。彼女の息子オスカーの担任であるカーラは、ことを大きくしないように、そっとクーンに話しかけるのだが…


「ありふれた教室」


以下、ありふれたネタバレ。


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ゼロトレランス教育の学校で起きた盗難事件。自ら被害者となった教師が、学校・保護者・生徒の3者の思惑に翻弄されていくドラマです。教室で起きたことは教室の中で決着をつけてきた、かなり良く出来たヒロイン・ノヴァク先生だけど、「職員室内の盗撮」という行為がマズかった。顔が映っていない動画なのに、クーンの反応にキレてしまったのもマズかった。てか、そもそも教師と生徒・大人と子供という明確な上下関係がある中でのゼロトレランスというのは自由と平等に反すると思う。生徒を疑うなら職員も同様に疑うべき。罰を下すなら生徒の意見も取り入れるべき。まぁオスカーの処遇を話し合う場で学級委員の子たちも参加はしてたけども…

盗難事件解決というカタルシスはなく、様々な解釈のできる幕切れではあったけど、オスカーの行為…時に幼稚ではあるけど意志を感じる数々の行為を大人がどう受けとめるかで観客個々人が完結させる話ですよね。排除される姿は玉座に座る王にも見えたオスカー。子供たちの前に、タテマエだけの大人なんぞ平伏すしかないのかも知れないな…
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